【書評】沖縄県知事がついた嘘。「基地撤退」の背後にチラつく中国の影

 

中国の影

我那覇さんのスピーチの前半の「日本とその地域への安全保障に対する脅威である中国」が、沖縄独立論や反基地活動を陰で操っている、という点を考えてみよう。

まず中国がそのような動機を持っているのか、という点に関しては、「中国が東シナ海と南シナ海でみせている深刻な挑戦行為」を抑え込んでいるのが米軍基地なのだから、なんとか基地を沖縄から追い出したいと考えるのは当然だろう。

基地が辺野古に移転してしまえば、強力な米軍が居続けるのに、県民への負担も危険も減って、基地反対運動も下火になってしまう。辺野古移転で一番困るのが中国と国内左翼なのである。

沖縄独立論の陰に中国がいることも、独立派の糸数慶子・参議院議員や新垣毅・琉球新報編集委員などが北京で「琉球フォーラム」を開き、中国側からも「沖縄の自己決定権を支持する」との表明があった事から明らかだろう。

さらに、翁長知事の左急旋回にも中国の陰が窺われる。那覇市長時代には、沖縄振興一括交付金を活用して中国臣下のシンボル「龍注」一対を設置。さらに11億円余で市が取得した用地に、中国帰化人子孫に「孔子廟」を設立させた。平成17(2005)年には名誉福州市民の称号を贈られている。

「日本を護る沖縄の戦い」

翁長知事のわずか2分間のスピーチは明白な嘘ばかりで、真実と言えるのは「日本の沖縄県の知事、翁長雄志です」という自己紹介だけだ。しかし、その知事という立場も、翁長氏の選挙手腕と自民党県連の逃げ腰地元紙の世論扇動とにより創られたものだと、我那覇さんは著書で詳しく述べている。

沖縄県民のためにも日本国民全体のためにもなる、と誰の目にも明らかな辺野古移転が一向に進まないのは、中国とそれに操られた国内左翼の仕業である。日本国民の「自己決定権」が踏みにじられているのである。

沖縄を護ることは、日本国家の独立と領土と民主主義を護ることだ。「日本を守る沖縄の戦い」を展開されている我那覇真子さんや、彼女と志を同じうする多くの沖縄の人々に敬意と謝意と声援を送りたい。

文責:伊勢雅臣

image by: austinding / Shutterstock.com

 

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著者/伊勢雅臣
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