だから貴方の企画は通らない。形容詞オンパレードの企画書がダメな訳

 

企画そのものでその要素を感じてもらうのが仕事なのに、何を自分から「面白い」とか「クスッと笑える」とか言っちゃってんの? ということです。つまり、自分から形容詞や形容動詞を多用するということは、それを企画の形で表す力がないから「これは面白いんですよ」と言葉を足しているだけなのです。

これは、例えばシェフが料理を持ってきて、「この料理は、とても美味しそうに仕上げました」「これは、今まで見たことがない感覚です」などと自分で説明しているようなものです。見た目や味でそれを伝えなければならない人が、なんで最初に言葉で説明しようとしてるの? ということです。

「このように仕上げました」「わー、美味しそう!」
「これとこれを掛け合わせました」「今まで見たことがない!」

と相手に言わせるべきことを、自分から言ってしまっては、全く意味がないのです。

だから、企画力を上げたいと思ったら、とにかくこの「形容グセ」を引っ込めることです。「これは面白い企画なんだ」と思ったら、その「面白い」という形容詞を使わずに、「面白いじゃないか」と思わせる企画にしなければなりません。

「これはほっこりとした企画なんだ」と思ったら、「ほっこり」という表現を使わずに、相手をほっこりした気分にさせなければなりません。

その形容詞を直接言葉で説明したらアウト、という意識を持つのです。

例えば「短くズバッと軽快に届ける」などと言わなくても、「毎回、五七五の川柳で伝える」という企画なら、「えー、そんな短くズバッと軽快にできるの?」ということは言わなくても伝わります。

「女子が明るく楽しく面白く語る」などと言わなくても、「女子3人がアフターファイブの居酒屋で恋愛を嘲り合う」というようなら「えー、明るくて楽しくて面白そう」ということは言わなくてもイメージできます。

形容詞や形容動詞を使わなくても、その企画のあり方でその形容詞や形容動詞をイメージさせることができるのです。それが企画なのであって、自分から形容詞や形容動詞で修飾するのは、「ダメな企画を言葉で補完している」に過ぎないのです。これを面倒がる人は、企画職には向いていません。

あなたの企画書や提案書は、どれだけ形容詞や形容動詞に頼ってしまっていますか?

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)————-

  • 自社の商品のPR文を100文字以内で、余計な形容詞や形容動詞を使わずに、ノートにまとめる。
  • 自社のPRで使わないようにしたい形容詞や形容動詞のリストを作って、社内にも配る。

image by: shutterstock

 

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