判決無視を決め込む中国、世界は「やったもん勝ち」を認めるのか?

kitano20160722
 

南シナ海問題で下された仲裁裁判所の裁定を無視し続ける中国ですが、このまま暴走を続け日本に攻め込んでくるような事態となったら、アメリカは私たちを守ってくれるのでしょうか。また、すでに危険な状態にある尖閣への対処法は? 国際関係アナリストの北野幸伯さんが、無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』でこれらの疑問に答えています。

結局、誰も中国の膨張、侵略を止められないのでは???

仲裁裁判所が、「南シナ海における中国の主張は、全部根拠なし!」と判断した。中国は、「俺たちは間違ってない! 間違っているのは、仲裁裁判所だ!」とキレている。そして昨日は、「中国は、せっかく親中政権が誕生したフィリピンを怒らせ、速やかに反米にかえてしまった」という話をしました。

中国は明らかに孤立してきていますが、読者のIさまから、こんなメールをいただきました。

いつもメルマガ拝読しておりますありがとうございます。

 

私なりの考えですが北野さんの言われるとおり中国はみんなから「やっぱりやめたアメリカにしよう」と思われていると思います。

 

ただ、だからと言って中国が実力行使してきた場合、特にアジアにおいては本気で止める国はどこもなく、やりたい放題になると思います。アメリカも本気では止めない。止めますか?

 

チカラのあるところとは戦いたくない。ならチカラのある国が無茶を言っても、やったことが既成事実となるだけです。南沙諸島の埋め立て基地化をスケルトン返し(原状復帰で)すべて元に戻して返すはずもありません。つまり中国がどう思われようと関係なくやったことが事実としてのこり、だれも止められない、そのまま進むと思うのですが如何でしょうか? 日本は対抗手段ないのですかね…。

「そうはいっても、誰も中国を止められないよな…」。こう思っている読者さんは、多いようです。

確かに、仲裁裁判所の判決が出ても中国の行動は何もかわりません。相変わらず、南シナ海の埋め立てをつづけ、軍事拠点化していくことでしょう。仲裁裁判所の判決には「拘束力がある」といいますが、判決を「執行させるメカニズム」がない。ですから、中国がいままでどおりの行動をつづけることは明らかです。

そして、「中国は、核兵器大国なので、アメリカも止められない」というのも、説得力があります。

では、どうやって中国を止めることができるのでしょうか?

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