戦後最悪「相模原・障害者19人刺殺事件」を新聞各紙はどう報じたか?

 

常軌を逸している

【朝日】は1面トップに2面の解説記事「時時刻刻」、9面国際面、12面社説、38面と39面社会面にも。見出しを並べておく。

重度障害者 標的か
相模原19人刺殺 容疑者
「意思疎通できぬ人刺した」
衆院議長宛 事件におわす
2月に施設退職
凶行 予兆あった
5か月前「障害者生きても無駄」
措置入院 退院後フォローなし
「世界で最も安全な国 日本にショック」
相模原の事件 海外でも速報
犯行生んだ闇の解明を(社説)
無抵抗の人を なぜ
入所者家族 怒りと衝撃
犠牲者の名前 県警公表せず
死者19人 際立つ被害
襲撃 部屋から部屋へ
刃物3本持って出頭

uttiiの眼

なかなか、詳しく論じる気になれない。各紙、1面の看板コラムがこの事件に関して何かしら書いているので、基本的には、それを紹介することできょうの責めを果たす代わりにさせていただきたいと思う。

《朝日》の「天声人語」は、事件の現場となった「津久井やまゆり園」の元職員の著書を手掛かりに、職員にとっては「健常者である自分の内にある差別を恥じ、入所者との触れ合いから学ぶ日々だった」様子を想像している。犯人の障害者なんていなくなればいいという言葉は常軌を逸している」と。

至ってまともな書きぶりだと思う。この施設の中には職員と入所者の心温まる関係があったことも間違いないだろう。けれども、この国の障害者福祉の現場の1つという側面も持つこの施設の「現場の苦労」は大変なものだったはずだ。特に、最近は医療的なケアを必要とする入所者の率が高くなる傾向があり、職員の負担は増えているという。事件の「原因」や「責任」の議論とは別に、そうした問題も、この事件をきっかけに様々表に出てくることになるだろう。

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