戦後最悪「相模原・障害者19人刺殺事件」を新聞各紙はどう報じたか?

 

ふざけるな、ふざけるな…

【読売】は1面トップに3面の解説記事「スキャナー」と社説、あとは社会面。見出しを以下に。

19人刺殺 障害者標的
元職員逮捕 2月に「犯行予告」
衆院議長宛手紙 施設名や手口記述
兆候数々 凶行防げず
相模原19人刺殺 殺人示唆し措置入院
植松容疑者 13日間で解除
精神医療 人権と治療で議論
まずは不可解な動機の解明だ(社説)
大量の血「助けて」 弱者犠牲「許せぬ」
福祉施設 衝撃広がる
首など深い傷 次々搬送
1時間45人襲う
議長公邸前で土下座

uttiiの眼

《読売》は関連記事全体にわたって、描写が精細。

1面の看板コラム「編集手帳」は、齋藤淳一氏の五行歌から書き起こしている。歌は、一歩あゆむのに30分かかる人を歌っている。

「健常者には何でもない作業1つにも神経を張りつめ、全身全霊を込めて取り組む姿が人々の胸を打つ」としている。さらに知人の場合、歌人の島田修二の場合と、障害を持って生まれてきた我が子への親の思いを重ねていく。途中に、逮捕された男が「障害者なんていなくなればいいと思ったという供述に対して編集手帳子自身がふざけるな、ふざけるな…と、幾度も同じ言葉を胸につぶやきながら、この稿を書いている」という部分に、感情が表れている。

「編集手帳」に感心することは多くないが、きょうは余計な理屈を述べずに、障害者の人生への共感から、犠牲者と遺族への思いがストレートに書かれていて好感が持てる。

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