戦後最悪「相模原・障害者19人刺殺事件」を新聞各紙はどう報じたか?

 

魔物の素顔はしかと見極めたい…か

【毎日】は1面トップに、2面3面に跨がる解説記事「クローズアップ」、その隣にQ&Aの「なるほドリ」(措置入院について)、5面社説、14面に写真特集、15面は「識者の見方」と神奈川県の会見内容、30面31面社会面にも。見出しを掲げる。

障害者施設で19人刺殺
2月に予告手紙
容疑の元職員 衆院議長に
障害者に強い偏見
外部侵入に盲点 障害者福祉 改善の影で
施設の体制まちまち
見逃された予兆 警察・行政・医療 連携に課題
措置入院って?
痛ましさに言葉失う(社説)
首狙う残虐な手口 身守れぬ弱者襲う
職員縛り上げ
家族らに衝撃
「心かきむしられる」 元職員に怒りと落胆
救急隊員ら 言葉失い
容疑者、過去に教員志望
元同僚「施設内で暴力」証言

uttiiの眼

《毎日》はきょうのうちに描ききってしまおうということなのか、障害者福祉やヘイトクライムなど、いくつもの論点を登場させ、取材したり識者の意見を載せたりしている。容疑者の刺青について書いているのは毎日のみと思われる。

1面の看板コラム「余録」は、全体に乾いた調子。冒頭こそ、知的障害と肢体不自由などがある人の詩作の話から入っていて、ここは素敵だが、すぐに「ひるがえってきのう…」と事件に入ると、「誰もの心を凍らせた…」、「えたいの知れない悪意」と、手垢のついた表現が空回りをはじめ、テロにも通ずるヘイトクライム、手紙を衆院議長公邸に持ち込む奇行、大麻の使用…と言葉を並べた後、最後に「容疑者にとりついた魔物の素顔はしかと見極めたい」で終わる。

一生懸命書いたのだろうから申し訳ない言い方になるけれど、この日のコラムに相応しい文章ではないと私は思う。

print
いま読まれてます

  • 戦後最悪「相模原・障害者19人刺殺事件」を新聞各紙はどう報じたか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け