戦後最悪「相模原・障害者19人刺殺事件」を新聞各紙はどう報じたか?

 

思想性のない大量殺人予備軍

【東京】は1面トップに2面と3面に跨がる解説記事「核心」、24面と25面の「こちら特報部」は過去の大量殺傷事件の振り返り、26面から28面は社会面の記事。見出しを並べる。

元職員 2月に犯行予告
相模原の施設 障害者19人刺殺
衆院議長宛の手紙持参
県警や市把握 措置入院13日
退院後 動向確認せず
無差別殺傷は「想定外」
防犯と地域交流 両立難しく
手紙に障害者への偏見
「無抵抗者、弱者に刃 共通」
戦後最悪19人犠牲
「心に問題 一方で 計画的犯行」
暴発の危険抱える現代人
1時間弱刺し続け 事件後ツイートか
容疑者?笑み浮かべる写真
窓破り侵入 2棟迷わず移動
職員縛られ 凶行止められず

uttiiの眼

《東京》はまた《毎日》とは違った観点を提出している。特徴的なのは「こちら特報部」。識者の意見をかりて、「「イスラム国のテロが世界に拡散する中思想性のない大量殺人予備軍が事件を起こしているとも考えられる」(碓井真史教授・新潟青陵大学)と。

1面の看板コラム「筆洗」は、ナチスに遡る。冒頭、障害者の命を奪うために使われた「灰色のバス」が出てくる。犠牲者の数は少なくとも24万人。ナチスはユダヤ人だけを虐殺したのではなかった。

共産主義者、言うことを聞かないキリスト教徒、同性愛者、ロマの人々、そして様々な障害を持った人々など。人間として生きる価値がないと判断された人々は様々な方法で組織的計画的に殺された

実は、この事件の容疑者が「障害者はいなくなればいい」と言っていると聞いて真っ先に思い浮かべたのがこれだった。ああ、この男はナチスと同じことを考えている。71年前に否定されたはずの醜い思想がこんなところで息を吹き返しているのかという思い。

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