迷った時は過去に学べ。歴代「東京都知事」8人の仕事、総まとめ

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候補者選出の段階から混迷を極めた今回の「東京都知事選」ですが、いよいよ投票日まであと僅かとなりました。今も多くの方が誰に投票するか迷われているのではないでしょうか。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』では、著者の嶌さんが過去の都知事選と都知事を振り返りつつ、票を投じる価値のある候補者について考察しています。

過去の都知事選と都知事を振り返る

今回は、いよいよ都知事選の投票日が日曜日に迫ってきたということで過去の都知事選を振り返ってみたいと思う。今回の都知事選は21人立候補しているが、今後の東京はどういう課題があるのかという政策論争があまり盛り上がっている感じがしない。

過去の都知事を振り返ってみて、それぞれの特色があったような気がするので、過去の都知事選を振り返りながら、今後の都知事選を考えてみたい

初代都知事は復興の知事

これまで東京都知事を務めたのは8人最初に都知事を務めたのは安井誠一郎氏。その後、1947年に初の公選となった都知事選で接戦を制して初代都知事に就任した。元々は内務官僚で関東大震災の復興に携わったり、戦前に官選の新潟県知事を歴任後、東京都長官になるなど内務官僚としてさまざまなことに取り組んできた。私が安井氏のことで覚えているのは、選挙の際「肉は安い」という言葉をキャッチフレーズにしていたこと。戦後復興というのがこの人にとっては大きなテーマだった。

東京というか日本の戦後復興に大きく携わった方であり、先に述べたように戦前も関東大震災の復興に携わった方でもあり、そういう意味では「復興の知事」と考えてよいと思う。

インフラ整備に注力したものの…

その後を継いだのが、東龍太郎あずま りょうたろう。1959年に知事に就任。この方は東京五輪の為のインフラを盛んに作った。政治経験はなく、職業は医学者。なぜ、都知事に立候補したかというと、国際オリンピック委員会(IOCの委員だったことから、東京五輪の開催(1964年)を勝ち取り、五輪の開催に向け奔走する役割を与えられていた。

実績としては、「首都高速道路」「都営地下鉄」「環状7号線」を整備など、五輪の為のインフラ整備を実施。時代の特色がよく表れているように思う。この時に副知事を務めたのが後に知事となる鈴木俊一氏で、行政に明るくない東氏をサポートし実務を取り仕切っていた。インフラ整備は非常によかったが、実は公害問題や都市問題を発生させる一つの原因にもなってきたといえる。

1950から60年代(59年~67年)の2期にわたった。まさに時は高度成長の時代。だからこそ、インフラ整備に注力していた。そういう意味ではこの時代も、特徴があった。

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