日本も中国に潰されるのか?世界中が巻き込まれる「負の連鎖」

 

世界を見回すと、日本を含む各地で数年前までならば考えられなかったような事件や出来事が相次いでいます。無料メルマガ『ジャーナリスト嶌信彦「時代を読む」』の著者・嶌さんは、それらの事例を挙げつつイギリス、アメリカ、イラク、中国、日本を詳細に分析。ここ数年で人々の考え方がどのように変わったのか、そして日本は世界、特に中国と今後どのように向き合うべきなのかについて見解を述べています。

一触即発の大乱危機

世界各国でその国が持っていた社会常識倫理感などが次々と崩れるような事件が相次いでいる。日本では70~80歳台などの老人や年上の女性が20~30代の若者、青年に殺害される事件が目立ってきた。かつては尊属事件などで、若者が年配者を殺傷する事例はあったが、最近のように動機も刹那的で見知らぬ人を殺傷に及ぶことはほとんどなかったように思う。

イギリスでは、まさかとみられていたEU離脱を国民投票で決めてしまった。離脱を決めてから慌ててイギリスに不利となる貿易などのEU条件は適用しないで欲しいと言い出している。イタリア人は駆け出した後で考える国民性を持つが、イギリス人は歩きながら考えるといわれていた。なのに後先の損失を考えず大衆心理に乗ってしまったかのような今回のEU離脱決断は、考え深いとされたイギリスの国民性に似合わない

アメリカでは、融和が進んでいるようにみえた白人と黒人の分断図が再び鮮明になっている。発端は白人警官が、身分証を出そうとした黒人をいきなり射殺した事から始まった。この行為に反発するデモが全米で起こったが、今度は「白人が憎い」と黒人が白人警官数人を射殺、黒人と白人の衝突が全米各地で発生した。すると白人警察官は、無人ロボットを使って取り締まりに乗り出したという。オバマ大統領は「刑事司法制度の中にまだ人種差別が残っているのではないか」と述べている。

イラクのバグダットでは一度に約300人が死亡する爆弾テロが発生、一回のテロで犠牲となる人々の数がウナギ上りに増えている。中東や西南アジアでは爆弾テロによる死傷者数に鈍感になっているようだ。イラク戦争、アフガン戦争、イスラム国のテロなどが相次いで発生しているうちに、人命がどんどん軽くなってきたように思う。

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