「失敗」と「挫折」の違いを知ったら、人生の楽しさが見えてきた

 

そこで、学びの姿勢として最初の切り口は「失敗挫折を分けることが有効である、と考えた。この違いが分かれば、失敗や挫折でくよくよすることは少なくなるはず。言葉の意味を考えると明白で、例えば「私は新規事業で挫折した」も「私は新規事業で失敗した」も一般的には用法として正しい。

しかしながら、「私は新規事業で挫折感を味わう」と言うが、「私は新規事業で失敗感を味わう」とは言わない。簡単に言えば、「挫折感」はあっても、「失敗感」はない。ここから導き出されるのは、挫折は主観であり失敗は客観であるということ。失敗は、試合に負けたり、試験が不合格だったりという確かな事実であり、それはゲームオーバー状態の「終わったこと」である。

しかし、挫折は違う

ここからが挫折の凄さである。「失う」「負ける」の失敗に対し「挫ける」「折れる」は心の状態だから、心持ちによってそれが立ち直る出発点となる。失敗が孤独なる「点」ならば、挫折はあすに向かう未来との連帯ので結ばれる。そんな思いで、自分のこれまでの挫折を考えると、すべて今につながってくると思えるから楽しい。

失敗したいろいろなことを挫折に置き換えると、自然とそれは、今、ここにいる自分に結びついてくる。講演の題目も結局、「挫折」の意味を熟慮するための、きっかけだと思うと、テーマを与えてくれた主催者に感謝という気持ちも湧いてくる。

人生は苦しいという思いと面白いという思いが同居している自分を実感すると、生きている実感が楽しげな雰囲気で湧いてくるのである。

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メルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』より一部抜粋

著者/引地達也
記者として、事業家として、社会活動家として、国内外の現場を歩いてきた視点で、世の中をやさしい視点で描きます。誰もが気持よくなれるやさしいジャーナリスムを目指して。
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