有資格者ほど、過酷な「ブラック企業」を辞められない理由

 

カトケンの周囲にも、ブラック企業問題をテーマにしている人は複数いるが、話を聞いていても、論点は簡単で「仕事はお金のため」と割り切れていない人がブラックにはまる、というところが大きいような気がする。

前述の「やりがい」などの甘い言葉もあるし、社会的責任、人間関係・・、などのことを気にして、辞めるべき職場を退職しない道を選ぶ人たちもいる。自分が他人から必要とされていたい、という「承認欲求」だろうか。「辞めれない」のではなく「辞めない道を選んでる」のは明白なようだ。だから、カトケン的には、ブラック企業問題は、企業の側に大きな問題があるのではなく「辞めないという選択」をしている労働者の側の精神的な問題が大きいように思えている。

辞めにくくしてる、という指摘もあるだろうが、それは、辞められたくない多くの組織がそういうもんで、それは根本問題ではない、ということは、本メルマガ2016年2月2日発行号でも触れた。

2月2日号では、組織側の手法にどう対抗するかの話を主にしたが、今回のこの記事の冒頭で述べている「有資格者ほど我慢する」は、労働者側個人の問題だ。苦労して投資して取った有資格を利用する仕事に就き続けたい・・と。無資格者にはできないが、自分には任されてる、というのが心地よい。投資した分を回収したいという貧乏ビジネス根性だろうかいずれにしても、そんな心境は今の時代、頭のいい経営者に安く利用されるだけだ。

バカな労働者として生きることに徹する「仕事はお金のためのみにやる」の方が大きなワナにははまりにくい。詐欺師は、そこそこ頭いい人なら詐欺に引っかけられるけど、バカを詐欺で引っかけることは難しいという。外国旅行で騙されやすいのは、外国語を
覚え始めた段階の人からそれ以上の段階の人たちとも。

image by: Shutterstock.com

 

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著者/加藤健二郎
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