それは奇跡。外国人カメラマンが捉えた富士山の「天の川」の軌跡

2016.08.08
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日本人が愛してやまない富士山は、その上にかかるミルキーウエイ(天の川)との景色がとても幻想的ですばらしいホットスポットであることをご存知ですか? 日本在住の外国人カメラマンがこんな形のクール・ジャパンをタイムラプス動画で表現してくれました。

富士山にかけられた“魔法”

イギリス出身のマーク・ソルプさんは、日本を拠点に活動する20年のキャリアを持つ野生生物カメラマン。

アメリカのエミー賞を受賞した経験もある人ですが、2年前に日本人の妻と息子とともに日本に移り住みました。

そのマークさんですが、MOTHER BOARDによると、2年に一度しかその完全な姿を見ることができない貴重な様子をタイムラプスで映像化しました。

それが富士山にかかる天の川の様子です。

Fujiyama – Magic in the Skies from Mark Thorpe on Vimeo.

FUJIYAMA”と名付けられたこの作品は「タイムラプス撮影」と天体写真を中心に構成されています。

(天の川の映像は、動画の5分42秒頃から始まります)

タイムラプス撮影とは、時間が経過する様子を早回しに撮影することのいい、インターバル撮影や微速度撮影などとも呼ばれています。

「5月から6月にかけて天の川が見えるのは、新月の時だけなのです。新月では、月光がないのでハッキリとその姿を見ることができます。この最高のコンディションは、年に数日しかありません」

この時期を逃すと、天の川の位置が低すぎて、カメラでその全貌を捉えることはできないのだそうです。

この撮影はCanon EOS 5D3カメラを用いて、夜の9時から始まったそうです。

その他には撮影向けのヘルメットカメラ「GoPro」とスマートフォンの「iPhone」も使って映像を撮っています。

カメラは25秒の露光を30秒間隔で行うように設定され、彼はこの手順を698回6時間かけて行いました。

その結果、富士山の上に天の川が通り抜けていく様子が25秒間のタイムラプスで捉えることができたのです。

マークさんによると、天の川は肉眼ではかろうじて見えるぐらいのものなので、その姿をクリアに捉えるためにはカメラの設定をISO感度3200という非常に高い感度で露光させる必要があるそうです。

この設定でシャッタースピードを遅くし、より多くの光をカメラに集めます。

「さまざまな光の邪魔が入りましたが、この映像の中には人工の光は写り込んでいません。背景の下の方に赤い光が見えますが、これは東京の夜空から届く蛍光灯の光なのです」

どうでしょうか? 

非現実の世界のような光景ですよね。

「これはみなさんがよく目にする富士山の象徴的な情景に、1年のうちでめったに見ることができない天の川がかかったという”魔法の瞬間”なのです」

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