中国を襲う「一人っ子政策」の深い闇。日本以上に深刻な社会問題に

china20160906
 

2015年、ようやく廃止が発表された中国のいわゆる「一人っ子政策」ですが、当然ながら政策実施期間中に誕生した子供たちに兄弟姉妹はなく、親の介護を一人で負担しなければならないという事態となっているそうです。無料メルマガ『上海からお届け! 簡単3分、写真で覚える生活中国語』の日本人著者・ジンダオさんが、そんな中国の現状と、外資が中国で介護ビジネスを展開する際の障壁などについてのレポートを届けてくれました。

親の面倒は誰が見る? 一人っ子政策の深い闇。介護【护理】

自宅の近所で車いすを押しながら散歩などをしている方達を見かけます。見たところご夫婦やご家族の方がお世話をしているようです。

中国でも日本のように介護問題が徐々に表面化してきています。先だって一人っ子政策の規制が廃止された背景の一つとして、迫る今後の高齢化を見越し出産率を増やすことも一因と見ています。

また一人っ子政策の弊害として、二人目を出産することが出来なかった家族で、両親である自分たちより、唯一である一人の子供が不慮の事故などで先に亡くなった。そんな環境に置かれた親が今後の将来(介護など)を悲観して、同じような境遇の人たちが政府を訴えるなどの話もあります

複雑な一人っ子政策の第二子出産条件を紹介兄弟【兄弟】

我が家の近くにも老人ホームなどがあるのですが、パッと見、日本に比べると垢抜けてなく開放的な感じはしていません。

中国にもあるお年寄りの集う場所。老人ホーム【敬老院/养老院】

そんな中国の高齢化社会を一つのビジネスチャンスとして、中国に進出している日系企業も増えてきているようです。

ただ中国進出には障害があるように感じています。それは中国で起業する際に、営業範囲というのが定められていて、介護ビジネスを何処まで行うかによるのですが、医療行為という範囲に及ぶと外資ということもあり営業許可が取りにくく、そのため参入の障害になっているのは明白です。

中国にある日系の医療機関が「クリニック」という表現になっているのも、この辺が影響しているからだと思われます。

そんな外資が参入し難い中国介護ビジネスは今からという感じがしています。その理由として中国人の生活環境、家族に関する考えが影響しているため。

  • 日本と違い基本的に転勤はなく、親と同じ地元で生活、または同居している場合が多い 
    上海、北京、深センなどで仕事のために地元から出てきている場合は除きます。
  • 自分の親は子供が見る、という考えが日本以上に根強い点
  • 他人に介護を任せて安全なのか? という不信感がある点
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