なぜスタバの店員は辞めないのか。秘訣は「6つのミッション」にあり

 

スターバックスに「働き方改革」のヒントがある

企業文化についてはスターバックスが参考になるでしょう。スターバックスは人材が定着している企業として有名です。アルバイトでも5年、10年と働くことも珍しくないようで、昨今の店舗型ビジネスにおける人手不足問題もどこ吹く風です。

スターバックスは労働環境が良いだけでなく、従業員の積極的態度を引き出す組織文化もあります。それを象徴しているのが、スターバックスのミッション」です。このミッションにおいて、スターバックスはなぜ存在するのかを従業員を含めた世界の人々に宣言しています。

スターバックスのミッションでは6つのことについて述べています。

  • Our Coffee
  • Our Partners
  • Our Customers
  • Our Stores
  • Our Neighborhood
  • Our Shareholders

の6つです。

1つ目の「Our Coffee」ではコーヒーに対する情熱を謳っています。コーヒーを商売としているので当然といえば当然でしょう。注目していただきたいのは、2つ目の「Our Partners」と3つ目の「Our Customers」です。

「Our partners」では

情熱をもって仕事をする仲間を私たちは「パートナー」と呼んでいます。多様性を受け入れることで、一人ひとりが輝き、働きやすい環境を創り出します。常にお互いに尊敬と威厳をもって接します。そして、この基準を守っていくことを約束します。

と宣言しています。

3つ目の「Our Customers」では顧客を大事にすることを謳っていますが、それより上位概念として2つ目に「Our Partners」をもってきて、従業員を大事にしたいと謳っているのです。顧客を大事にすること以上に従業員を大事にすると宣言していることは注目に値するといえます。

「お客様を大事にする」ことに対して異を唱える人はいないかと思います。しかし、「お客様を大事にすることを錦の御旗として従業員を酷使する企業が少なくないという現実があります。「顧客が第一」を標榜し、「顧客が一番だから従業員は二の次だ」と考えるようになり、次第にそれがエスカレートして「顧客のために従業員が酷使されるのは当たり前」と拡大解釈されていきます。

こうしたことがまかり通る中、顧客を大事にすること以上に従業員を大事にすることを会社のミッションの中で掲げているということは、従業員にとって小さくはないのです。スターバックスはそのことをよく理解しているといえます。

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