なぜ貧困地域に住む人は認知症や寝たきりになりやすいのか―英研究

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「人気の沿線ランキング」「田舎 vs 都会」などといった特集はTVや雑誌などでもよく見かけますが、住む地域の「環境」まで取り上げたものは少ないですよね。しかし、その「住環境」が老後の健康に大きな影響を及ぼすとしたら…。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』では、イギリスで発表された気になる研究結果が紹介されています。

健康には、都会と田舎、どちらがベター?

住むには、緑が多くのんびりとした田舎がよいか? ちょっと空気は悪いかもしれないが、刺激がありエネルギュシュな都会がいいか

若い頃はなんと言っても、大都会がよいと信じていました。でも、シニアになっても、やっぱり私は都会生活派のようです。なんといっても、住んでいて飽きないですもんね。

ところで、健康は住んでいる場所や、隣の家の人により、つよく影響されるという話題です。中高年者の人は住んでいる地域や近所づきあいが悪いと寝たきりや認知症になりやすいのだそうです。

英国に於ける老化に関する長期研究(the English Longitudinal Study of Ageing =ELSA)で、米国老齢医学誌(Journal of the American Geriatrics Society and in Age and Ageing.)にそれぞれ独立した2つの研究内容です。

1つ目の研究は、英国都市部に住む52歳以上の7,000人について調べたもので、貧困地域に住む人は裕福層に比べて認知機能が低下しており、高齢化に伴い認知症になるリスクが高いことが分かりました。

Neighborhood deprivation, individual socioeconomic status, and cognitive function in older people: analyses from the English Longitudinal Study of Ageing.

第2の研究は、60歳以上の4,148人について調べたもので、貧困地域に住む人の13.6%が寝たきりになったりしており、移動や運動能力に問題が生じていたそうです。

なお、非貧困地域の場合はその様な頻度は4.0%でした。

Neighbourhood deprivation and incident mobility disability in older adults

これら2つの研究を指導したPeninsula医科大学のIain Lang博士によると、男女ともに貧困地域の人は認知機能及び運動機能に問題が生じやすいことを示しており、自分の住む住環境が、健康に大きく関与すると注意しています。

また、近所つきあいも重要であり、地域でのソーシャルケアの整備が必要であるとされています。

まあ常識的な結果といえばそれまでですが、はじめに戻って、あなたは今後どこで過ごします?

image by: Shutterstock

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