大人気も納得。伊藤若冲の展覧会に4時間半も並んでわかったこと

jakutyu20160916
 

今年4月に東京都美術館で展覧会が開催され、連日4時間近い待ち時間を記録するなどその人気ぶりが話題となった画家、伊藤若冲。無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、生誕300周年である若冲の魅力が紹介されています。生誕地の京都ではこの秋も展覧会が企画されているとのことですので、興味がある方、東京で見逃してしまった方、もう一度見たい方…チャンスですよ。

伊藤若冲生誕300周年

芸術の秋ネタということで、今回は一人の画家についてご紹介します。伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)です。

前々から若冲の絵は好きだったのですが、案外まとめて見る機会を逸していました。

今年の春、4月から5月にかけて、東京都美術館で伊藤若冲展が開催されました。京都の相国寺に寄進された、「釈迦三尊像」三幅と「動稙綵絵(どうしょくさいえ)」の三十幅が一堂に会されて展示される…滅多にないことで、今後あるかどうかもわからない、と思い、大阪から東京まで出向きました。恐ろしく混雑していて、入場まで4時間半も待たされ、中でもゆっくり鑑賞することも難しかったのですが、一堂にある、という雰囲気を感じられたのはよかったと思っています。

急激に人気が出てきたのですが、魅力はあちこちにあります。なんといってもその精緻なタッチが、現代の我々をも驚かせます。鶏がたくさんいる軍鶏図やクジャクの絵をじっくり見るとわかりますが、「輪郭というものを描いていません。筆で細い線を一本一本書き込むことで羽根の1枚が描かれ、それが集まって全体を形作っています。その輪郭線がない。同時代の他の絵師の絵とは全く違います。また鮮やかな色にも目を奪われます。一方で、墨だけで描かれた野菜の絵に、思わずくすっとしてしまうユーモラスなものもあります。

今年が若冲生誕300周年ということで、特に生誕地の京都では、この秋にいくつかの展覧会が企画されています。相国寺では、毎年の恒例の「釈迦三尊像」の公開。東京都美術館でも展示されていたものですが、その周りの動稙綵絵はコロタイプ印刷の複製です。それでも全体を見渡すことの感激は感じられるでしょう。他には、京都国立博物館が12月から、京都市美術館では10月から若冲の展覧会が開催されます。

いろんな画家の絵を見るのも楽しいのですが、一人の絵師の絵を集中的にたくさん見るのも面白いものです。

こんな絵も描くのか。このモチーフが好きなんだな。色遣いが変わってきている。

などいろんな発見をすることもできます。ひとつ展覧会見たからいいや…じゃなくて、はしごするのもまた楽しいものです。

image by: Wikimedia Commons

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