山手線に30番目の「新駅」誕生で、東京の通勤はどう変わる?

 

どうしてこうなっているかというと、乗り換えを便利にするためです。並走区間を乗り降りする乗客については「どっちか先に来た方に乗る」ニーズが多いからです。そして、この「方面別」の構造を活かして、1988年からは日中の京浜東北は快速運転がされています。快速運転時間は、目的駅に応じて山手(各停)と京浜東北(快速)を対面ホームで乗り換えるという利便性を提供することにもなっています。

この「線路別」から「方面別」に入れ替えるために、品川と田町の間には「立体交差」が設けてあります。田町駅に近づいたところで、京浜東北の北行が、山手を越えて海側から一番山側に出るのです。

実は、今回の新駅設置とその山側の「巨大再開発」に伴って、この区間の山手線・京浜東北線の線路は大きく海側に移設され、今ある「立体交差」も移設になると思います。では、新駅はどうなるのかというと、既に発表されているように「線路別」です。ということは、

(1)新駅の配線は品川と同じ。山手と京浜東北の乗り換えは対面式ホームではできない

(2)従って京浜東北が快速運転をしている時間帯も、この新駅は全列車が停車するだろう。

(3)けれども、昼間に快速(京浜東北)と普通(山手)に乗客を振り分けるには、「快速運転の両端」では、「方面別ホーム」で乗り換えの利便性を確保する必要がある。そこで、田町の快速(京浜東北)停車はやめられない。快速は「田町=田端間」というのは変わらないだろう。

ということが考えられます。更に、この配線変更ですが、今年の11月にまず東海道線の上りを国道15号線に沿った山側から、海側に大きく移動させる切り替え工事が行われます。そして、品川の5番線が使用停止になるとともに、6番線と7番線が供用開始になります。

これは上野東京ラインの開業による直通運転開始の関係もありますが、何よりも今回の「新駅と再開発」のために、線路を海側に移動するというのが最大の目的であるわけです。ということは、次は山手と京浜東北の番です。駅の開業は仮に暫定的とはいえ先になりますが、かなり早い時期(2017年から2018年)に線路だけは海側への移設がされると思います。

その際の注目点ですが、先程お話した「京浜東北北行の立体交差」も移設されるはずです。恐らく99%、いや99.9%はそうなると思います。その立体交差は「新駅と田町の間」に建設されるはずです。工事が始まったら、この点に注目です。

仮に0.1%でも、この「立体交差が建設されない」という場合は、田町から田端までの並走区間が「全面的に線路別」になるということを意味します。そうなる場合というのは、この区間を並走する「山手」「京浜東北」「上野東京ライン」の3複線における列車の流し方、乗客の分離などが大きく見直されるケース(大阪環状のように、山手線に環状運転以外の列車が入る?など)ですが、仮に空港新線(?)や、相鉄からの直通が入って来るにしても、そこまではないでしょう。

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