山手線に30番目の「新駅」誕生で、東京の通勤はどう変わる?

 

ところで新駅の名称ですが、「高輪」が有力視されています。イメージもいいし、実際に現在の地図では、駅の場所は「港南」になるのですが、駅と一体で開発される地区の山側は「高輪」だからです。

ですが、難点もあります。というのは、「高輪」という名前の駅は地下鉄に既に2つあるからです。「白金高輪(南北線・三田線)」と「高輪台(浅草線)」です。東京に住んでいる人間にはお馴染みですが、そうでない人間には「高輪」「白金高輪」「高輪台」という3つの「高輪」という名前を冠した駅ができるというのは混乱の元になります。

ですから、今、検討されているのはこの周辺の地域の江戸時代の地名である「芝浜」という名前です。混乱を避けるという意味ではいいと思います。その場合は、是非、新駅の至近にある京浜急行と浅草線の接続駅である「泉岳寺」も「芝浜」に改称して同名とし、乗換駅として地下通路等を整備していただきたいと思います。後はダークホースとしては「高浜(近くを通る運河の名前)」もいいのではと思いますが、同名駅が茨城や愛媛にあるのでちょっと難しいかもしれません。

更に京浜急行の空港アクセス便と、JRの乗り換えについてもこの新駅(芝浜?高浜?)を使うように誘導できれば、品川駅の構内の混雑解消にもなります。品川はリニアの始発駅になりますから、その準備として必要ではないでしょうか?

image by: konicabook / Shutterstock.com

 

冷泉彰彦のプリンストン通信』より一部抜粋
著者/冷泉彰彦
東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは毎月第1~第4火曜日配信。
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