負債100億からの復活劇。「マネーの虎」名物社長が再起できた訳

nanbara20160928
 

かつて人気を博した「マネーの虎」という番組、覚えている方も多いかと思います。この番組に出演した挑戦者たちの行く末も気になりますが、出資者として挑戦者と対峙していた社長たちのその後の人生も波乱万丈なようです。無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では、軌道に乗せた経営を維持することの難しさについて、マネーの虎に登場した社長たちの「その後」を追いつつ考察しています。

チャンスは身近にこそありますが

十数年前の話ですが『マネーの虎』という人気テレビ番組がありました。売上数10億といった勝ち組の経営者たちが、起業を志すプレゼンターから創業プランを聞き取って、これはと思える人物に投資をするというものでした。興味をもって見られたのは、考えの甘い創業希望者に対する世間の荒波を越えてきたプロ経営者の手厳しい指摘がうけたからのようです。

その勝ち組経営者の一人堀之内九一郎氏は、ホームレスからアイディア一つでリサイクルショップ創庫生活館」を立ち上げ1992年には法人化して直営店とフランチャイズ店によって全国チェーン展開をはたしました。しかし、2013年に同業他社との競争激化の対応ができず資金繰りが悪化し破綻して受け皿会社であるリハンズに譲渡されてしまいます。

このチェーン展開をした「創庫生活館」をはじめて多くの同業態店を見て、この業態にこそチャンスがあると確信した人物がいました。1997年中古厨房機器を販売するテンポスバスターズ」を設立し、そのわずか5年後の2002年ジャスダックに上場させた森下篤史氏です。今では、本体の直営店だけでも49店舗を展開させています。

同業態なのに一方が破たんし、もう一方が栄えているのは何が違ったのか、「創庫生活館」の堀之内九一郎氏と「テンポスバスターズ」の森下篤史氏の何が違ったのかを探るのは、経営のコツを知る重要な手がかりになります。マクドナルドのレイ・クロックが言う「勇気を持って、誰よりも先に、人と違ったことをする」こそ重要ですが、その続きがあるということです。

「テンポスバスターズ」の森下篤史氏は、このように言っています「テンポスの事業だって、特別新しいものじゃない。ただ、競争相手が普通の努力しかしてないなかで注ぎ込むエネルギーの量が違うんだ」と。お笑い芸人でも一発芸で一世を風靡しても、多くはすぐに萎んで行きます。ビジネスの世界でもまったく同じ現象がおこっています。

戦後の物不足の時代から高度成長までの良き時代では、勇気があって仕事を立ち上げればマネジメントがまずくても時代がそれをカバーしてくれました。今の時代は、テンポスバスターズの森下氏の言うように「競争相手が普通の努力しかしてないなかで、注ぎ込むエネルギーの量が違うんだ」に気付き実行するする経営者が大きく成長して行きます。

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