1000円の衝撃。なぜ流行は「チープカシオ」を二度も選んだのか?

 

流行は「らせん状」に繰り返す

しかし2010年代に入り、再び「フューチャーライクなデザインが流行となってきました。

道端ジェシカなど国内外のモデルが火付け役となった「Tendence / テンデンス」。

きゃりーぱみゅぱみゅなどファッションアイコンが火付け役となり爆発的なHITとなった「ICEWATCH / アイスウォッチ」。

そしてその流れを汲んで満を持して登場したのが「Apple Watch / アップルウォッチ」というわけです。

クォーツショックから、フューチャーデザイン → 高級志向 → フューチャデザインと、繰り返している流行が理解できると思います。

しかし以前KnowerMagでも書いた通り、流行とはそのまま同じことを繰り返すものではありません。

微妙な変化と進化を加え、ある種、スパイラル状に螺旋を描くように流行とは繰り返すのです。

例えばオジサンの定番アイテム「セカンドバッグ」。

80年代までは丸みのあるカジュアルなデザインが定番ですが、2000年代「80年代リバイバルブーム」で出てきた新たな潮流のセカンドバッグこと「クラッチバッグ」は直線的な四角いデザインが目立ちます。

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流行は繰り返すものの、わずかに変化を加えながら螺旋状に続いていくものなのです。

そしてクォーツショックから繰り返してきた時計の流行も同じです。

今回のフューチャー志向のトレンドは、90年代に流行ったものと違い、「レトロフューチャー」と呼べるもの。

アップルウォッチなどは特にそれを意識していますが、斬新で前衛的な、純粋な意味での「フューチャー」デザインではなく、どこかレトロな表情を感じるデザインとなっています。

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例えるなら「鉄腕アトム」など70年代、80年代の人たちが夢見て憧れていた「未来の想像図」。

あれに近いものです。ああいった「旧世代のフューチャーデザイン」のことを「レトロフューチャー」と表現します。

斬新で新しいフューチャーライクなデザインではなく、どこか懐かしさを感じるレトロフューチャー。

それを証明するのがアップルウォッチの「ミラネーゼループ」です。

アップルウォッチの人気モデルである「ミラネーゼループ」。

このチェーン状のミラネーゼベルトはアップル独特のデザインと言うわけではなく、1950年代あたりの時計によく見られる形状です。

アップルは「レトロフューチャー」の潮流を意識してデザインを組んでいることがよくわかります。

Apple Watch / ミラネーゼループ

このクラシカルなバンドに丸みを帯びた四角い形状のボディを合わせることで、「どこか懐かしさを感じるレトロフューチャー」を表現していることが理解できるかと思います。

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