「締めの都々逸」
「売ろうと思えば 顧客は逃げる 追えば追うほど 売れ残る」
昔は、顧客が商品を欲しがっていた。顧客が商品に片思いをしていた。思っても商品は手に入らなかった。
現在は、商品が顧客に片思いをしている時代だ。商品が顧客に愛されようと思っても、顧客は逃げていく。追えば追うほど在庫が残るだけだ。
商品は歳を取ってしまったのかもしれない。肌の艶もなくなり、筋肉も落ちてしまった。商品はシェイプアップしなければならない。食生活を改善し、有酸素運動と筋力トレーニングをしなければならない。スキンケアから見直し、ヘアもメイクも基本からやり直そう。
そして、顧客との出会いを演出し、恋愛のプロセスを一つ一つ辿り、求愛しなければならない。それでも、一度離れてしまった心を取り戻すのは大変である。
そんな時代なんだな、と思う。今までの延長では売れないのだ。
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『j-fashion journal』より一部抜粋
著者/坂口昌章(シナジープランニング代表)
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