【こちらアート広報部 Vo.1】中国と日本のただならぬ関係

2016.10.13
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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おはようございます〜♪ A子です。

せっかくの体育の日の連休も雨降ってばっかりでなんだかパッとしませんでしたね。でも、美術館やギャラリーだったら楽しめますね〜。

私は最終日に横浜で塩田千春さんの展示を見てきました。空間構成がドラマチックでした!

さてさて、私は平日は東美特別展に向けて飛び回る毎日でございます。

一時期、立て続けに古美術のお店に伺うことが多かったのですが、意外にも中国や朝鮮の骨董を扱っていらっしゃる方がいらっしゃいます。

私、骨董っていうと掛け軸やお茶碗、日本刀を想像してしまうので、なんだかびっくり!

いろいろ調べてみると、そもそも日本では中国や朝鮮の磁器が珍重されていた時期が長かったんですって。確かに、仏像なんかも海を渡ってきてるし….

今回私がお邪魔した繭山龍泉堂は1905年に北京で創業されたとても歴史にあるお店で、現在中国古美術を中心に扱っておられます。

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東美特別展では”嘉靖萬暦”というタイトルで出品されます。

嘉靖・萬暦は明の皇帝の名前で、この時代に作られた、特に官窯(皇帝向けのもの!)を集めて展示するんですって。

特別に何点か拝見させていただきました。

瓶がとってもステキでした!商の時代の青銅器の形をうつしていて斬新。約30cmの高さのもので、比較的小ぶりであるとのことでしたが、堂々の存在感でした。お値段は… もちろん手が出ません。

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五彩龍文尊式瓶

お茶の世界でも用いられてきたそうですが、梅原龍三郎などの大正・昭和の画家や文豪がこれらの時代の中国骨董を競ってコレクションしたりしたんですって。

スタイリッシュで華麗な瓶に昔の異国の想いを馳せながら、小説を執筆したのかな?

志賀直哉は万暦赤絵という短編小説を発表しています。

中国骨董を扱っている美術商でもう一軒、日本橋高島屋の隣にお店を構える壺中居にもお邪魔することができました。

 

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こちらも1924年に創業された老舗です。お店に一歩入るとクラシックで優雅な時間が流れています。

東美特別展では唐の時代の “三彩”を出品されます。

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唐三彩 馬

唐の時代は7世紀〜10世紀。ということ1300年前とかってことですよねー!

まず馬やラクダや人の全身のものが多いように思うのですが、ものすごくリアルです。

そこにクリーム色・緑・白の三色の組み合わせ、或いは緑・赤褐色・藍の三色の組み合わせの釉薬がかかって居るのですが、ものすごく斬新。スタイリッシュでかっこいいです。

西洋風の邸宅でも似合いそう、というより唐は大国だったしシルクロードも整備されていたりでかなり文化交流があったかもとまたもや想いを馳せてしまいました。奈良時代にすでに日本に渡っていて、これをお手本に奈良三彩などが作られました。

このように東洋古美術が古くから長きにわたって日本の文化に影響を与えてきたし、今もこのような場で大事にあつかわれているってステキですね。

久しぶりに中国の歴史について勉強しようかなーと思った秋の一日でした。

Text:A子

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