日本は「失われた30年」へ。労働力不足が生む深刻な負のスパイラル

 

その対応策

このため、プライマリー・バランスを取る政策を出し続けることが日本政府にとっても、国民にとっても超円安にならないために重要な政策である。

しかし、日本でもポピュリズムが徐々に勢力を増している。自民党でも民進党でも、社会保障の維持や税収UPへの反発が大きくなり、徐々に勢力を増している。安易なポピュリズムの道は日本国民を苦難の道に追いやることになる。

しかし、一番大きな問題は少子高齢化である。税収を増やすためには、税金を払う国民や労働者を増やさなければならないことは、自明の理である。

AIやロボットを活用して労働生産性を上げても、世界的に同じことが起きて競争になり、そう簡単に労働賃金は上がらないし、よって税収も増えないことになる。労働生産性を上げることはもちろんであるが、労働者数を増やして税収を増加させないと今の社会保障制度を維持もできなくなる。

労働者を増やすといっても、誰でも連れてくれば良いということではなく、親日仏教国の比較的温和な人たちを労働者として入れることである。文化的な違いが少ないので、日本に馴染むし、テロの心配をイスラム教国など一神教国の人たちより少なくて済む。

もう1つが、高齢者の退職ではなく働く続ける仕組みを作ることである。年金+労働で生活ができるようにして、健康な高齢者が職を得ることが出来るようにすることである。

女性の労働力にも期待するが、育児などの社会的なサポートを完備することが条件になり、高齢者の労働力より手間がかかる。このためには、家事ヘルパーやベビー・シッター、介護、育児などの新しい労働力が必要であり、この労働力をどするのかという問題も出ることになる。

しかし、今は中国人が大量に労働力として日本に押しかけているが、日本と中国が尖閣諸島などでの戦争になった時に心配であり、そろそろ、中国人の労働力を入れるのはやめるべきである。日本国内での労働ビザも発給をやめるべきである。

もう1つが、税収を高所得者から多く低所得者から少なくすることで消費の拡大を図るしかない。マイナンバー導入で収入補足もできるようになり、給付付き税制控除を導入することが必要である。ベイシック・インカムの方向に行くことも将来的には検討しても良いと思う。

というように、日本社会を維持することは、いろいろな政策を素早く実行することが必要になっている。

その上で、日本を世界の中心に押し上げるための成長戦略として、規制改革や産業育成が必要なのであるが、日本社会維持の仕組みができていない状態である。

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