いずれにせよ、アマゾンは次の点を認識すべきだと思われます。まず、日本の書籍・雑誌は、「手軽に読めて、すぐに捨てる」タイプのものが多いということ。例えば、雑誌、コミック、写真集、ライトノベルなどがその類です。したがって、これらを前述のようなコスト体系に落とし込む場合、費用倒れになる可能性が高くなります。こうした「その国独自の業界動向」をしっかり把握してからプラットフォームに落とし込むべきであったということ。
次に、「顧客を無視したこと」です。今回のいざこざはコンテンツ提供元である出版社とプラットフォーマのアマゾンとの間で生じたもの。これによって、不利益を被るのは、キンドルのユーザー、つまり、アマゾンの顧客であるという点です。ランキング上位に食い込む作品を削除したり、力のあるコンテンツ提供元の作品を一律で削除したりすれば、キンドルユーザーの商品(=キンドルというプラットフォーム)に対する信頼は大きく損なわれます。
いくら巨象と言っても、顧客を無視した商売は、最終的に自らの首を絞めます。今一度、「顧客の満足度を高める対応は何か?」を考えることが求められるのではないでしょうか。
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