インド一人勝ちに焦る中露。日本はどの国と手を結ぶべきか?

 

首脳会議で明らかになったBRICS内の対立

毎日新聞10月17日付を見てみましょう。

<BRICS>政治課題に踏み込めず 首脳会議、足並み乱れ

毎日新聞10月17日(月)7時45分配信

 

BRICS加盟国の「同床異夢」

 

中国、インド、ロシア、ブラジル、南アフリカの新興5カ国(BRICS)首脳会議は16日、インド南部ゴアで2日間の日程を終え閉幕した。

 

世界的な課題については各国の立場の違いがにじみ、会議を総括する「ゴア宣言」は具体性を欠いた。

 

日米欧の先進国主導による国際体制への対抗軸として存在感を強めてきたBRICSだが「同床異夢」が目立ち、枠組み自体の「限界」を指摘する声も出ている。

同床異夢」「枠組みの限界」だそうです。具体的に見てみましょう。

2009年以降8回目となる今回の首脳会議では、独自の信用格付け機関の創設を目指すことで合意。農業研究機関の設立でも一致した。

 

だが、国際的な政治課題について、宣言では一般的な表現が目立った。内戦下のシリアについては「あらゆる当事者の対話」を求めるにとどまった。空爆を続けるロシアに対し、距離を置きたい中印などの本音がにじむ。
(同上)

シリア問題でBRICSは、「ロシア支持を打ち出せなかったと。

皆さんご存知のように、シリアでは、ロシア・イランがアサド現政権を支援している。欧米、サウジ、トルコなどが、反アサド派を支援している。アメリカには、アサド軍を直接空爆する「プランB」があるといわれ、ロシアは、シリアに地対空ミサイル「S300」を配備した。そして、「アメリカがアサド軍を空爆するなら、撃ち落とす!」と宣言しています。クリミア併合後もロシアに制裁せず、極めて穏健だった中国インドも、「そこまでは付き合いきれない」ということなのでしょう。

南シナ海問題では、中国の権益主張を退ける今年7月の仲裁裁判所判決を受け、中国は当初、自国の主張を盛り込む狙いがあったとみられるが、インドと立場の違いがあり言及されなかった。
(同上)

中国は南シナ海問題でBRICSの支持を取りつけたかった。しかし、インドが反対したので、「ゴア宣言」には入らなかった。モディ首相、ありがとうございます。

インドと中国の対立は、南シナ海だけではありません。

インドは、隣国パキスタンを拠点とするイスラム過激派の攻撃を念頭にテロ対策に重点を置いた。モディ首相は会議でパキスタンを批判したが、宣言では「あらゆるテロを非難する」と一般論に終始した。親パキスタンの中国の働きかけがあったためとみられる。
(同上)

皆さんご存知のように、インドとパキスタンは領土問題があって争っている。モディさんはパキスタンに拠点をおくテロリストを批判した。しかし、「ゴア宣言」には入らなかった。パキスタンは親中なので中国が反対したと。

さらに、ロ印関係もぎくしゃくしているようです。

宣言があいまいになった最大の要因はインドと中露がぎくしゃくしていることだ。中印は国境問題を抱えている。ロシアは先月、パキスタンと軍事演習を初実施。15日の印露会談では協力強化で一致したものの、インドは警戒を緩めていない。
(同上)

ロシアが、インドに敵対するパキスタンと軍事演習をした。それで、ロ印関係が悪化していると。

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