【書評】「21世紀の原理」に移行しない株式会社はすべて無くなる

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「投資というものに、ものすごい行き詰まり感を感じている」と嘆息するのは、無料メルマガ『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』の著者・土井英司さん。「資本主義はどこにいってしまうのか、これから私たちはどう行動するべきなのか」。今回紹介されているのは、土井さんのそんな疑問を一気に解消してくれたという一冊だそうです。その内容とは?

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株式会社の終焉』水野和夫・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン

こんにちは、土井英司です。

最近、投資というものに対して、ものすごい行き詰まり感を感じています。

周囲には投資で大儲けしている人もいますが、資本家が投資することによって、社会の豊かさが増しているようには思えないのです。

土井がフランスで見たような豊かな生活を実現しようと思えば、日々使う食材を見直したり、インテリアの壁紙を変えたりといった実需が発生するでしょうが、多くの人が「お金を生むものにしかお金を使わない」という行動を取ると、資本家の資本は増えても人々は幸せにならない

企業や資本家が資本を蓄積しても、それが人々に分配されなければ、結局賃金上昇を伴わず、家賃は上がらないことになるのです。

今は、オリンピックの影響で地価も上がっているけれど、これから先はどうなるかわからない。

一体われわれはどう行動するべきか。資本主義はどこへ向かうのか。

そんなことを悶々と考えていたところ、ちょうどいい本に出合いました。

本日ご紹介する一冊は、法政大学教授の水野和夫さんが、大ベストセラー『資本主義の終焉と歴史の危機』に次いで出した論考。

「資本主義が資本の自己増殖ができなくなったとき、その主役である株式会社に未来があるのかどうか」を論じています。

高度な内容を丁寧に解説する、相変わらずの上手な説明ぶりで、現在のわれわれが置かれた状況、今後の見通しが良くわかります。

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