「お店の売りを聞かれて断言できる店主さんは多くない」と語るのは、繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさん。ご自身が配信する無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では、なぜそんな事態に陥ってしまうのか、そして思い切りよく「売りを強調」して大成功を収めた女性店主のエピソードが紹介されています。
「思い切りの良さ」が、繁盛店を生む!
あなたのお店の「売り」は何ですか?
そう問われて、キッパリと断言できる店主は多くありません。少し考えて、「○○……ですかねぇ」と答えるのがやっとのこと。どうして、そうなるのでしょうか。
新規開店の当初は、明確な「売り」があったはずです。なのに、売り上げの伸び悩みから、さまざまな商品を扱うようになったために、本当に売りたいものが曖昧になってしまったのです。これを「仕方のないこと」で済ませて良いのでしょうか。
あなたの夢は、その程度のものだったのですか。諦めるのですか。もう一度、夢を追い掛ける気力は残っていないのですか。
面白い繁盛店の事例をご紹介しましょう。夢や理想の話ではありませんが、「売り」を1つに絞り込んだことで成功しているお店があります。京都にある「焼きそば専門店」です。
ここの女性店主は、関西弁で言う「イラチ」です。「イラチ」とは、「せっかち」「気が短い」「イライラしやすい人」「落ち着かない人」のこと。
この女性店主は、元々お好み焼きも焼いていたのですが、焼く時間が掛かることにイライラして、メニューを焼きそばだけにすることにしたのです。「早く作れて、早く食べてもらえ、早く帰って欲しい」という思いから、焼きそば専門にしたのです。
また、早く焼くために、先に麺と具材を熱いだし汁に浸けるようにしています。こうすることで、麺や具材にだしの味がつく上に、早く温まるので、鉄板で焼く時間が短くなるのです。
実に徹底しています。
できあがるスピードと焼きそば専門ということが「売り」になり、口コミが広がったのです。
お好み焼きと焼きそばのお店はどこにでもあり、よほどの特徴がない限り、繁盛させるのは難しいものです。しかし、メニューを焼きそばに絞ったこのお店は、それだけでも注目度は高く、できあがりの早さも話題になり、繁盛店になったのです。
店主の「思い切りの良さ」が、功を奏したと言えます。
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