謎ヒット。ピコ太郎「PPAP」に隠されたナーサリー・ライムの法則

 

そう、この「シンプルで単調なリズム」はたしかにそうかなと思う。

だって、ジャスティンさんがツイートしたからだといっても、ジャスティンを好きじゃない人だっているわけで、それだけでは、こんなにヒットしなかったと思う。

おそらく、この「シンプルで単調なリズム」が英語の子ども向け音楽に似ているからかも?

アメリカには、子ども向けの、表現がシンプルで子どもが繰り返し口ずさみたくなっちゃうような特に中毒性のある定番の歌がある。

しかも、呼び名がちゃんとあってNursery Rhymes(ナーサリー・ライム)と言ばれている。

ナーサリーとは「世話をする」などのナースと同じ語源からきていて、子ども向けの短い歌詞を並べた歌を指している。

例えば、「itsy bitsy spider」(イッツィビッツィ スパイダー)がPPAPに似ているかな。

いわゆる日本の童謡のようなもので、手遊びの歌としても有名で日本の、「アルプス一万尺」のようなもの。

アメリカ人で知らない人はいないくらい、小さいときから何度も繰り返し歌う歌だ。

イッツィビッツィ スパイダーの歌詞をみてみよう。

The itsy-bitsy spider
Climbed up the water spout

Down came the rain
And washed the spider out

Out came the sun
And dried up all the rain

And the itsy-bitsy spider
Climbed up the spout again

これを延々繰り返す。

蜘蛛が雨どいを登っていたら降ってきた雨に流されて、太陽が出てきて乾いた蜘蛛はまた雨どいを登っていった、
というPPAPよりは意味はわかるけどまぁ、たいした歌詞じゃない。

でも、意味はないけどただ繰り返したいだけ、歌いたいだけという中毒性は「PPAP」と同じだと思う。

ナーサリー・ライムは他にもABCの歌Five Little Monkeyなどがある。

単調で意味はないけど繰り返し歌いたくなる中毒性。そうやって英語や発音を覚えていったりもするので、ナーサリー・ライムはけっこう勉強になる。

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