自分の部下がいつまで経っても伸びないのを、年齢や性格のせいにしていませんか? 無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者でマーケティング戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、人材が育たない企業の多くは「教える」と「指導する」を履き違えていると指摘した上で、部下がグングン伸びる驚きの指導法を記してくださっています。
「教える」「指導する」その違いとは
よくご相談頂くことの1つに社員や部下への指導に関することがあります。そして、相談者にこれまでの指導方法などをヒアリングすると、それは指導ではなく、教えている、という範疇のものが結構あります。
まず知っておいてもらいたいのが、「教える」と「指導する」は根本的に違うということです。人材が育たないと悩む会社の多くは、いつまでも指導するのではなく教えているからです。
「教えることの何が悪いの?」と感じる人もいるかもしれませんが、教えるというのは、技術、知識、情報、業務フロー、会社や業界のルールなど、いわば、基本や型、業務上最低限に知っておかなければならないものを教えるというものです。
業界によってや個人差によって、その尺度は様々でしょうが、こうした基本や型を教えるというのは、一般的に1年目~3年目くらいの若手スタッフにとってはもちろん必要なのことです。
ですが、そこから先…、いつまでも「こういうときはああしてこうして…」みたいに教えてばっかりでは一向に伸びません。個人差によりますが、基本や型を習得した相手には、「教えること」から「指導すること」にスイッチを入れ替える必要があります。
ここで時々あるのが、指導というものを、「俺らの若い頃はこうだった」「俺ならこうやって…」など自分のやり方を伝えることを指導だと履き違えている場合。伸び悩む相手に対して、自分の成功体験をそのままその通りにやりなさい、というのは指導ではありません。
それに過去の成功体験をそのまま実行しようにも時代や環境が違っていたり、年代や個人による価値観そのものが大きく違っている場合があるので、いざ実行したところで大した成果も望めないのが大半です。結果、その相手の成長にはなりません。指導は、指導する相手がたとえ1mmでも成長しなければ意味がないのです。
指導は「指し・導く」と書きます。つまり、若手スタッフや伸び悩むスタッフを目標に向かわせ、それを自力で達成するよう導かなかくてはなりません。