帰ってきた海外勢の日本株買い。アベノミクス「隠れた成功」を分析

shutterstock_214708096
 

日経平均株価が17000円台に戻り、日本経済には「復活」の兆しが見え始めているようです。メルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さんはこうした状況を受け「日本国民の状況が改善している」と分析、「経済好転の兆しを確かなものにするために、今なすべきこと」とは何かについて詳しく論じています。

日本国民の状況が改善している

アベノミクスがやっと、正しい方向に向かい始めた。日本は単一民族という纏まりを維持するために、国民全体の生活をよくする政治をしないといけない。やっと、アベノミクスがその方向に回転し始めた。今後は国民全体が貧乏にならないような政策が必要である。その検討。

現状

株価が1万7,000円に戻り上昇し始めた。世界的に大きなリスクが当面起こらないという予測により、リスク・プレミアムもない状態になっている。このため、日本自体の経済状況がどうかという点になっている。そのため、経済状態が良いことが重要になっている。

そして、この経済状態が良い理由。1つには、米国利上げで105円とドル高円安になったことが大きいが、2つ目には日本の現状が政治的にも安定して、経済的にもしっかりしているという観測が出始めたことである。

これにより、欧米の年金基金などの長期的な投資家が日本株を買い始めたことが大きい。日本企業にとっては、105円は一時の80円より円安であり、業績には大きな影響が出ない。120円より円高になったが、その影響範囲は為替差損分しかない。

特に、この現状を浜田教授が英文『アベノミクスの隠れた成功』という英文で表したので、欧米投資家に大きな影響を与えているように思う。

日銀黒田総裁も金融緩和手段として、マイナス金利深掘りを行うという発言もなくなり、銀行の生命線である金利低下の可能性がなくなり、現時点、業績的には高いのに、株価が安いために高配当になっている銀行株も上昇している。今までは安定的な大手銀行株の配当は1%程度であったが、現時点4%から3%もある

上昇を止める世界的なリスクとしてのトランプ米大統領リスク、ドイツ銀行など欧州銀行破綻リスク、中国経済沈下リスク、米露中東核戦争リスクなどが当面緩和したことが重要であるが、そうすると、米ドル高になり米国の景気を冷やす可能性があるが、現時点では、まだ顕在化していない。

print
いま読まれてます

  • 帰ってきた海外勢の日本株買い。アベノミクス「隠れた成功」を分析
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け