まさかのトランプ当選に世界が右往左往。一番喜んでる国は何処だ

 

悲しむ欧州

トランプ勝利に衝撃を受け、悲しんでいるのが欧州です。イギリス、フランス、ドイツなど大国のリーダーたちは、「ヒラリー勝利」を疑っていませんでした。それで、過去トランプさんについて、小バカにしたようなコメントを出していた。

トランプは、「NATO加盟国にもっと金を払わせる!」と宣言している。欧州経済も、かなり厳しい状況ですから、金を出したくないでしょう。

そうはいっても、アメリカの干渉が減ることで、欧州は逆に平和になる可能性があります。つまり、トランプ・アメリカとプーチン・ロシアが和解する。そうすると、欧州とロシアの対立も解消されるかもしれません。

しかし、そのとき犠牲になるのが、ウクライナです。クリミアを奪われ、東部ドネツク州、ルガンスク州は事実上分離独立状態にある。欧米に利用され、そして米ロ和解によって捨てられる。哀れです。

複雑な中国

では、中国はどうでしょうか?

トランプは一般的に「反中」だと思われています。実際、こんなことを言っています。「彼らの指導者たちは我々の指導者たちよりも遥かに、うんざりするぐらい、上手くやっている。彼らはあらゆるものを作り変えている。彼らは我々を殺そうとしてるが、私は彼らを撃退する」。

ところが、一方で「中国は偉大だ!」「中国が好きだ!」「中国ともっとビジネスをするべきだ!」などという発言もしばしばしています。そして、トランプさんは、中国ともかなりビジネスをしている

AFP 2016年10月18日

 

トランプ氏は選挙運動で中国について、ゆがんだ貿易政策と為替操作によって米国から数百万人分の雇用を奪ったと繰り返し非難してきた。

 

一方で、中国に対するダブルスタンダードとたびたび批判を浴び、国外での取引に起因する利害対立に疑問が呈されている。

トランプ氏は自身が関わる事業に関して、米国以外で121件あり、それには中国の事業が「多数」含まれると語っている。

というわけで、トランプさん、中国に関しては複雑みたいです。中国を叩きすぎれば、自分のビジネスに問題が起こってくるかもしれない。トランプさんがこんななので、中国自体も複雑なのでしょう。

ちなみにトランプさん、経済がらみでしばしば中国のことを批判します。しかし、「南シナ海」など安全保障面の話はほとんどしていません。そもそも「関心がないのではないか?」と心配になります。

アメリカが、フィリピン、ベトナム、台湾、韓国などを見捨てれば、日本も安心していられませんね。

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