なぜ織田信長は「部下」に裏切られたのか?経営学の視点で検証

Honnoj20161121
 

時代背景は違えど、戦国武将も企業の社長も、部下を正しく導き、組織を拡大させていくという点ではその役割に違いはありません。特に「優れた経営者に共通した理念」は、昔も今もほとんど変わっていないようです。今回の無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では、織田信長や徳川家康といった武将と、松下幸之助さんや稲盛和夫さんなど、誰もが知る大企業のリーダーの共通点を探りながら、「経営のコツ」を考察しています。

条件づけ権力

徳川家康の愛読書に「貞観政要」があり、その中に書かれた内容ですが、「『創業と守成はいずれが難きや』。唐の太宗(李世民)が、功臣である側近に尋ねた。その問いに創業をともに戦った房玄齢が「創業が難し」と答えた。これに対し魏徴が言った「得たのちは、おごり高ぶる。故に守成が難し」。それぞれの意見を聞いた太宗は「どちらも難し。創業はなされた。故に守成の困難を乗り切ろう」と締めくくった」とあります。

経営者(リーダー)に求められる資質・能力には普遍の部分もありますが、その一方で時代の移ろいによって求められるものが変わるということもあります。ここではまず普遍なものついて考えたいのですが、それは「人の活用と処遇」で、これを間違えたがために多くの組織が崩壊しています。

最大であり稀有な経営資源は人間であって「その人間が持つ個々の資質・能力を見い出して抜擢し、場を整えて最大の成果が得られるように支援する」、これが古今東西にかかわらず、マネジメントにおける最も重要な課題です。「功ある者には禄を与えよ、徳ある者には地位を与えよ」がその基本で、貢献したからという理由で地位につけるのは破綻の原因ともなります。

功ある者には禄を与えよ徳ある者には地位を与えよ」は、西郷隆盛が言ったとも織田信長が言ったとも言われています。中国最古の歴史書である「書経」には「徳さかんなるは官をさかんにし、功さかんなるは賞をさかんにす」という言葉が記されています。さらに、GEのジャック・ウェルチも「能力と意欲あるものにはチャンスを与え、成果と貢献のあった者には報酬で応えよ」と言っているそうで。

古今東西、成功を得る経営者の考える原則は同じのようです。人の特質・特性は異なりよく言われるのが「外向型、内向型」などの分類で、一般の理解では、外向型は営業が内向型は事務が向いていると言われます。経営者が行うマネジメントは、最小の資源をもって最大の効果を得ようとするもので適材適所でないと成果を得られないのは当然です。

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