「タバコを吸うメリット」を、あえて見つけてみる

2016.11.21
by gyouza(まぐまぐ編集部)
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「タバコはカラダによくない」

それはわかっているけれど、やめられないんだよ…。そういう人が多いのかもしれません。

タバコは「百害あって一利なし」とも言われます。二次喫煙による被害について一般に知れ渡った今日では、喫煙できる場所はどんどん規制され、禁煙補助薬や禁煙外来も登場。社会全体がタバコを敬遠している風潮があります。

そこで、ふと思いました。

「タバコの良いところは、本当に1つもないのか?」

そこで今回は「タバコを吸うメリット」について考えてみたいと思います。

「脳を活性化させてやる気を起こす」

タバコに含まれる成分といえばニコチン。

悪者にばかりされがちですが、実はニコチンにはストレスをやわらげたり、やる気を起こさせたりする効果があります。

ニコチンには脳の「側坐核(そくざかく)」という部分を活性化させる性質があります。

この側坐核は「脳の意欲」をつかさどる重要な部分。つまりニコチンを摂取すれば気分が元気になって、面倒なこともやる気が起こる、というわけです。

「気分の波を整えて落ち着かせる」

またタバコにはネガティブな気分を正常に整えたり、逆に高ぶりすぎた神経を落ち着かせたりする効果もあるといわれています。

これは「精神的な疾患を抱える患者さんは、精神状態が悪くなるとタバコの本数が増える」という医師の分析によるものです。

そうでなくても、「イライラするとタバコを吸いたくなる」「みんなで飲んで騒いているとタバコに手がのびる」なんていう喫煙者の声は、誰でも聞いたことがあるかもしれませんね。

「喫煙者同士の会話を弾ませてくれる」

タバコを吸う人同士だと、初対面でもコミュニケーションが取りやすいという意見もあります。

ただ、最近は喫煙できる場所もごく限られていますし、つき合う相手を喫煙者に限定できるわけでもありません。

「タバコはコミュニケーションの手助けになる」と言い切るのは、ちょっと苦しいかもしれませんね。

「苦しい国の財源を助けている」

さて今度は、「税金」という観点からタバコを見てみましょう。

タバコの価格の6割は実は税金。タバコには、「国タバコ税」「地方タバコ税」「タバコ特別税」「消費税」という4種類もの税金がかかっているのです。

ひと箱430円の商品を例にして、税の内訳を見てみましょう。

国タバコ税・・・106.04円
地方タバコ税・・・122.44円
タバコ特別税・・・16.40円
消費税・・・31.85円
合計276.73円

こうして得られた税金は年間約2兆円を超えるといわれています。

その使い道はいろいろですが、主に使われるのは「国の借金返済」。

また、一部は福祉施設や保育所、公害対策費などに使われています。

それでもやっぱりタバコは命を縮めている

今回は「タバコを吸うメリット」についていろいろ見てきましたが、それでもやっぱり「タバコが身体に悪い」というのは動かしようのない事実。

・タバコを毎日40本吸い続けた人の3.5人に1人が肺がんになる
・タバコを吸う女性の3分の1は不妊症
・タバコを吸う人の2人に1人はタバコのために命を落とす
・タバコを吸う夫を持つ非喫煙者の妻が肺がんで死亡する確率は、非喫煙者の夫を持つ場合に比べて約2倍
・副流煙を子供が吸引すると知能指数の低下をもたらす

これらはすべて、日本や海外で報告されているタバコの害です。

タバコを吸うメリットはそれなりにあるのかもしれませんが、それらは「タバコでなければ絶対に得られない」というメリットではないような気もします。

たとえば「タバコを吸いながらの喫煙者同士のコミュニケーション」は「コーヒーを飲みながらの会話」に置き換えられるかもしれません。

もちろん、タバコをやめるにはかなりの努力が必要だと思います。

しかしそれでも「自身や大切な人の命を守るため」ということ言えそうです。

結局、客観的な「タバコを吸うメリット」とは、やはりないものなのかもしれません。

 

執筆:Mocosuku編集部

image by: Shutterstock

 

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記事提供:Mocosuku(もこすく)

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