【書評】居酒屋で出すハンバーグが「雑巾」と呼ばれている理由

 

それは件の会社の製品だった。老廃牛のクズ肉内臓血液つなぎのタマネギ類と代用肉(食用油を抽出したあとの脱脂大豆を原料にした肉のようなシロモノ)を、その会社が開発した特殊なブレンダーで混ぜ合わせ、各種の食品添加物をぶちこんで作られたのが、目の前にあるハンバーグだった。「私や同僚は絶対に自社製品は一切食べません」という。クズ肉に大量の添加物を入れ、なおかつ水で容量を増すから「雑巾」と呼んでいるらしい。老廃牛の皮や内臓から抽出したたんぱく加水分解物でそれらしい味を演出し、さらに牛脂を添加して旨味を演出し、一応ビーフ100%らしい食べ物になっているのだという。

これはフィクションであるが、多かれ少なかれ食品加工の現場はこんなものらしい。世界チェーンのファストフードも基本的な仕組みは一緒で、大量仕入れで世界中から老廃牛のクズ肉を集めそこに添加物を混ぜ込む。刺激の強い調味料で肉本来の味なんてわかりっこない。食品と称する工業製品が売られているのだ。もはや、添加物なしの食生活は絶対に無理だから、中身を知りリスクが高そうなものを避ける知恵を持て、と小松は言うがそりゃ無理でしょう。せいぜい「国産しか買わない」「安すぎるものは買わない」という決意くらいだ。そういえば、映画「アメリカンバーガー」は本物の肉100%だったな。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock

 

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