故カストロ前議長を「残忍な独裁者」と批判するトランプ外交の不安

 

天才リアリストとしてのオバマ

「AIIB事件」でオバマは生まれ変わりました。「世界中すべての問題を解決して、中国と戦わなければ!」と決意した。

ウクライナでは2015年2月、ドイツ、フランス、ロシア、ウクライナの首脳が集まり、「停戦合意」が実現した。オバマは、ウクライナに武器を大量に送ることで、これをぶち壊そうとした。しかし、2015年3月の「AIIB事件」を受け、ウクライナ停戦を黙認することにしました。

2015年5月、アメリカは「南シナ海埋め立て問題を大騒ぎし始めた。日本の新聞にも「米中軍事衝突の懸念」という記事が載った。同月、ケリーさんは、クリミア併合後はじめてロシアを訪問。「制裁解除」の可能性に言及し、ロシア国民を驚かせました。

2015年7月、歴史的「イラン核合意」。2016年2月、シリア内戦停戦(後崩壊)。

このように、オバマは「AIIB事件」後、

  • ウクライナ問題
  • イラン核問題
  • シリア問題

を、急いで解決し始めた。そして、2015年9月、訪米した習近平をさんざん冷遇した。要するに、「欧州、中東問題を解決して、中国問題に集中する」。

世界戦略の一環としての、アメリカーキューバ和解

そして、オバマは、キューバとも和解します。「AIIB事件」があった翌月の2015年4月、フィデル・カストロの後継者ラウル・カストロ議長と会談。米―キューバ首脳会談は、実に59年ぶりでした。

同年5月、アメリカは、キューバの「テロ支援国家指定」を解除。同7月、アメリカーキューバ、国交回復。これも、極めて戦略的な動きです。中南米にとって「反アメリカのシンボル的存在」であるキューバと和解することで、中南米を味方につける

このように、オバマは任期最後の2年で中国以外のすべての問題解決に道筋をつけたのです。

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