故カストロ前議長を「残忍な独裁者」と批判するトランプ外交の不安

 

トランプ外交への不安

トランプさんは、「イランとの核合意を破棄すると宣言しています。キューバとも国交を再断絶する可能性を示している。

これは、トランプさんが、オバマさんと「戦略観」を共有していないことを示しています。実際、トランプさんの演説を聞いて感じていたのは、「外交安全保障に関する話がほとんどない」ということでした。

「日本、韓国、サウジアラビア、NATO加盟国にもっと金を払わせる!」
「朝鮮戦争が起こっても、アメリカは関わらない」
「イスラエルを永遠に守る!」
「南シナ海でどう動くか、話したくない」

などなど、何の戦略もなさそう。心配になりますが、政治経験のない経営者なので、仕方ない。これからいろいろな人のアドバイスを聞き、まともな外交戦略を構築して欲しいです。

ちなみに、トランプが、社会主義キューバのような国に強硬なのは、日本にとっていいかもしれません。中国も共産党の一党独裁国家ですから。しかし、アメリカ自身にとっては敵を増やすだけの結果になるでしょう。キューバとの関係は、「キューバとだけ」の関係ではない。キューバとの関係が悪くなれば、南米全体との関係も悪くなるのですから。

image by: JStone / Shutterstock.com

 

ロシア政治経済ジャーナル
著者/北野幸伯
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