中国の財政赤字が拡大。地方の隠れ債務がこの数年で天文学的数字に

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先日掲載の記事「中国政府の壮大な実験。1億人『強制』移動計画で農民たちが暴徒化」でもご紹介したように、中国経済の逼迫した様子がさまざまなメディアで報じられています。無料メルマガ『石平(せきへい)のチャイナウォッチ』の著者・石平さんは、「中国の地方政府の債務が天文学的な数字にまで膨らんでおり、中央政府にも助けてもらえない今、現地の日系企業も強引な増税のターゲットになりかねない」と伝えています。

天文学的な地方債務 中央政府は責任と処理丸投げ、民間企業が「搾り」のターゲット

先月14日、中国国務院は地方政府債務リスク応急処置案を公布した。処置案の中身は後述するが、「債務リスク」「応急処置」といった尋常でない言葉が並んでいること自体、中央政府が抱える危機感の表れである。地方政府が抱える債務はどれほどのものか。

今年3月7日、当時の財政相、楼継偉氏が認めたところでは、2015年末、地方政府の債務残高は16兆元約280兆円)に上ったという。同じ年、中央政府を含めた全国の政府財政収入が15.4兆元であったから、地方政府債務の大きさがよく分かる。

もちろん、上述の「債務16兆元」というのは単に各地方政府が直接に借金した負債であって、それ以外に、たとえば地方政府が担保となっている「融資平台投資会社)」などの負債も実質上政府の債務となっている。

こうした「隠れ債務」を計算に入れると、中国の各地方政府の抱える債務は、すでに、中央政府ですら把握しきれないほどの天文学的な数字になっていることが推測できよう。

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