急増。実家の高齢者を狙う不動産詐欺「地面師」の恐ろしい手口

 

こうした土地を介した詐欺を行う者を、業界用語で「地面師」と呼ぶ。

地面師は元不動産業者が多く法にも詳しいことから、詐欺師の中では別格だと言われている。

また、近年では取り締まりや法の網が彼らの動きを遮断していて、地面師自体は少ないと言える。よって、その世界は狭い。

私は、まず、初めにAさんに接触した業者を調べることにした。

この業者は、不動産業者としての免許を持っており、その番号に(1)とあることから、最近設立された不動産業者だとわかる。

不動産業者はその免許更新ごとに()の中に入る数字が増えていくことから、この番号を見れば、どのくらいの業歴かを知ることができる。

オフィスの場所はなかなか立派で、山手線でもかなり良いところにオフィスを構えているが、不動産屋さんに有りがちの路面店ではなく、ビルの中階にその会社はあった。

出入りをするスーツ姿は5~6人。いずれも目つきが悪く、周囲への警戒を怠らないタイプであった。

私はこの全員の尾行をスタッフに実施してもらい、居宅を判明させた。

そして中心人物を特定し、さらにその営業(詐欺)をした本人もオフィスの出入りで特定して、その居宅を把握した。

また中心人物が、土地を売ったとする会社の取締役であることも判明した。

つまり彼らは、仲間内で土地を回すことで買ってもない土地を買わせたり売ってもない土地を売らせたりして荒稼ぎをしていた集団であった。

自宅を割り出していたことから、彼らは素直に対応に従い、取引の取り消しの合意などで一件落着となった。

この土地の詐欺以外でも、投資の詐欺はリストが作られているケースが多く投資詐欺などもリスト化している。

一度作られたリストは詐欺師間で流通している。

まず、一度騙されている方はそうしたリストに載っている可能性が極めて高いため、十二分の注意が必要だ。

また、このメルマガ「伝説の探偵」を読んでもらうでも、十分な警戒ができると思う。

帰省する方は特に親御さんなどに、話をしてみるのが良いだろう。

image by:  Shutterstock

 

『伝説の探偵』より一部抜粋

著者/阿部泰尚

2015まぐまぐ大賞受賞「ギリギリ探偵白書」を発行するT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚が、いじめ、虐待、非行、違法ビジネス、詐欺、パワハラなどの隠蔽を暴き、実態をレポートする。また、実際に行った解決法やここだけの話をコッソリ公開。
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