突然ですが、みなさんの日常は、驚きや喜びで溢れていますか? 毎朝同じ時間に満員の通勤電車に乗り込み、人込みの中を速足で歩き、同じ人と同じ場所で過ごす。楽しくないわけではないけれど、どことなく物足りない、そういった日常に何かしらの新鮮な風を取り入れたい、と願う人は多くいるはず。そしてそれは、きっと世界共通。今、海外メディアやSNSで話題になっているのが、謎の集団「Anonymouse(アノニマウス)」が作り出す、ネズミサイズの小さな小さな世界。その小さな扉を覗くと、誰もがつかの間の非日常を味わえます。
その扉の向こうに広がる世界とは?多くの人々を惹きつけるミニチュアの世界
スウェーデンの街を行き交う人々も、きっと日常はどこか退屈で、何か面白いことや楽しいことが起こればいいのに、と思っているのかもしれません。
スウェーデンの都市マルメの街の片隅に現れたのは、その大きさわずか約63.5cm×31cmのほどのレストランや食料品店。
映画のポスターやチーズなどの食品まで、本当に精巧にできていて、街ゆく誰もがつい目を奪われます。
それらを作り上げたのは、謎の集団「Anonymouse」。
その名の通り、その正体は「不明」というアートグループですが、彼らの目的はただ一つ、「街ゆく人達にちょっとした喜びを提供する」こと。
これらはすべて無償で提供していて、資金援助等は一切なく、ただひたすら彼らの目的を達成することをテーマとしています。
今回この謎多き集団「Anonymouse」に独自取材を行ったところ、普段はそれぞれ別の仕事をしているというAnonymouseのメンバーたちが、グループとして活動し、子どもから大人まで、たくさんの人々を喜ばせるためには何がいいのかアイデアを募った結果、このネズミサイズのレストランや食料品店を作ろうという結論に至ったのだそうです。
その理由は、彼らが「愛」について語り合うといつも、現実とは別の世界の存在を空想して楽しんでいた子ども時代が思い出されたから。
子どもの頃に誰しもが共通に持っていた純粋な興味を抱く気持ちや、それにともなう喜びにこだわり、大人になってもそれを忘れたくないという表現なのかもしれません。
現在新たなプロジェクトが進行中だというAnonymouse。日本を含めた海外展開も視野に入れているとのことでした。
みなさんの周りにも、こんな小さな幸せや懐かしさを届けてくれる何かがあれば、少しだけ日常が輝くのかもしれませんね。
Image by: Anonymouse, Kristina_Sigunsdotter
取材・文/貞賀 三奈美