ボンクラ、病弱、優柔不断な松下幸之助が「大成功」を収めた理由

 

同じような条件でスタートしても、大きく成長する企業もあれば潰れてしまう会社もあります。その違いは一体どこにあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『戦略経営の「よもやま話」』では、著者でビジネスに精通する浅井良一さんが、経営のカリスマ・松下幸之助さんの「成功までの軌跡」をたどりながら、運や景気に左右されない「成功者になるための条件」と、「経営のコツ」を探ります。

どのようにつくったのか

モノサービスが売れるのは顧客が買いたいという気持ちになる時にだけ起こることでこれが普遍の原則です。顧客といっても一般消費者だけが顧客ではないのはもちろんで、卸問屋や企業やその他役所諸々あって、一般消費者でも男性、女性、年寄、子供とそれぞれの欲する内容は異なりそれぞれに応じて対応しなければ売れません

いざ製品(サービス)ができたとなっても、知られなければまた売る場所や仕組みがなければ話にならず、さらに他のモノより抜きんでていてかつ価格も顧客が考えているものに合致していて、さらに信頼してもらえなければ購買には結びつきません。これらの諸条件が現実に実現されて初めて購買となります。

そうだとしたら現に大企業に成長している企業は、どのようにこれらの諸条件を満たすことができたのか、また秀でたのかを知りたくなります。ということになるのですが、事業は「生もの」なので「成功の要因」が確かにあるものの、そのあり方は「運」や「思わぬ障害」もあり一筋縄では行かないのです。とりあえず事例により吟味して行きます。

誰もが知っている成功者のモノづくりの軌跡、それも創業時を見て成功の要因の分析を試みて、その景色を垣間見たいと思います。松下幸之助さんの成功を事例にして、その困難の足跡を学びたいと思います。

松下さんは「私には3つの財産がある。それは学校へ行かなかったこと、健康に優れなかったこと、決断に弱かったことだ。だから、人が教えてくれたり助けてくれたりして成功した」と言います。

「衆知」を「全世界は自分のものだと思っている。自分で持っているのはめんどうだから預けておこうというようなもんやな」とも言います。

松下さんほどの、超合理主義の経営極道はいないと思われるのです。成果を実現するには、何が必要かまたそのために何を行わなければならないか、そのことのみを考えて行動されています。不必要な先入観や感情や思惑などとは一切かかわらないようです。けれど、そんな松下さんですが創業時の様子は少し違ったようにも思えます。

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