ビジネスの現場でもプライベートでも、さらにはニュースなどでも、言われてみればたしかによくある「主語を明らかにしない話し方・伝え方」。無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんは、「主語をぼやかすような受動態を使う人や団体は卑怯」だとした上で、そんな話法でマウンティングされてしまった時や考え方を恣意的に誘導されそうになった時などに効果的な対処法を伝授してくださっています。
会話では主語を明確にしよう
日本語に限らずほとんどの言語には、能動態と受動態という2種類の伝え方があります。能動態は、「主語」が、「ある動作をした」という表現で、受動態は、「主語」が「ある動作をやられた」という表現です。ここで問題なのは、受動態で、ここではよく、「誰がやったのか」が語られない、省略されることがあるんです。
「私はスリに財布を盗られた」なら、盗るという動作をやったのはスリだと明確になっているので問題ないんですが、「悪い評判が流されています」だと、「誰が流しているのか」が不明瞭ですよね。
これって、話者にとって非常に都合が良いんです。ウソを言わずに、でも自分が責任を取らずに相手を操作出来ちゃうんですから。
例えば、「従業員を解雇するのは許されないと思うんです」。これ本音では、話者が「許したくない」という感情を持っているのに、私はそれを許しません、と言ったら責任を取らなきゃならなくなるので、許さないという動作の主語をぼやかすような受動態を使っているんですね。
「そういうことをやると、将来困ったことになるよ」というのも形を変えた受動態話法で、本音では、「そういうことをやると、将来お前を困らせてやるぞ」って言いたいんですよ。それをオレが困らせるというと角が立って、後々責任を取らなきゃならなくなるので、あたかも私じゃない誰かが、もしくは不可抗力でそういう困った状態になっちゃうよと言ってるわけですね。つまり、この話法を使う人って卑怯な人が多いんですよ。