【書評】誰が龍馬を殺したのか? 定説をひっくり返す「真犯人」

 

龍馬は勝海舟、松平春嶽との出会いで人生が決まり、大政奉還という奇手で徳川家を温存する。もはや幕府のVIPである龍馬が、新選組や見廻組に命を狙われるはずがない。幕府には暗殺する動機がない。しかも、警備の厳しい土佐藩邸の斜め向かいの近江屋に、大胆に押し込む刺客がいるだろうか。龍馬は多くの修羅場をくぐってきたから、危機管理能力は高い。ピストルを持っている龍馬に、警戒されずに近づける人物はただ一人、中岡慎太郎しかいない。龍馬は至近距離からあっという間に斬られた。居合いである。剣の腕は中岡のほうがはるかに上だったという。龍馬も反撃し、中岡も負傷、数日は生きていた。

大政奉還後の政局は、武力革命派の岩倉具視、大久保利通、薩摩藩、長州藩、土佐藩の一部(中岡ら)VS.無血革命派の龍馬、後藤象二郎、勝海舟ら、である。近江屋に乗り込んだ中岡は龍馬と直談判に臨んだが、龍馬は頑として考えを曲げない。中岡には岩倉、大久保との約束がある。律義を絵に描いたような中岡に妥協はなかった。というわけで、龍馬暗殺の真相は土佐藩の内ゲバだったというのが加治説である。事件後、関係者はみな口をつぐみ、わずかに残る証言はみな陳腐。遺留品は偽装工作がみえみえ。おかしなことは山ほどあるが追及されずに闇の中。これが「加治史観」だ。いい線行ってると思う

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock

 

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