京都で300年。「願いが叶うお寺」で有名な鈴虫寺のヒミツ

 

お地蔵さんが家まで願い事を叶えに来てくれる

我々はお寺や神社を訪れると通常手を合わせて願い事をします。本来願掛けというのは願い事が叶うまで毎日神社(神様)やお寺(仏様)へ出向きお祈りしなければなりません。観光でフラッと立ち寄って願掛けをしても願い事はなかなか叶えてはくれないようです。

ところが鈴虫寺では1回お参りするだけでお地蔵様が願い事を覚えていてくれてわざわざ自宅まで願いを叶えに来てくれます。だから鈴虫寺のお地蔵様はワラジを履いているのです。お地蔵様は通常どこにもいかないので裸足です。鈴虫寺のお地蔵様が「てくてく地蔵」などとも呼ばれているのはそのためです。

恋愛に関する願い事は80%叶う?

鈴虫寺は特に若い女性に人気です。それは恋愛成就の可能性が高いからです。鈴虫寺にお参りすると高確率で恋愛が成就するという噂が全国各地で広まっているそうです。なのでストレートに「彼氏が欲しい!」「出会いが欲しい!」などとお願いする女性が大勢押し寄せています。

説法がおもしろい

お堂に入って鈴虫の羽音に心を奪われていると和尚さんの説法が始まります。説法の部屋にはいくつかの水槽に入った鈴虫が鳴いています。お寺の中には春夏秋冬それぞれの季節に気温が設定された部屋があるそうです。全部合わせると7,000匹飼育されているそうです。

お茶とお菓子でもてなされるのも禅宗の教えの一つである「茶礼に基づいた考え方のようです。1人1人にお茶とお茶菓子が振る舞われ、鈴虫の羽音を聴きながら鈴虫寺のいわれや鈴虫を育てる苦労などの話が始まります。そしてお地蔵様へのお願いの仕方の説明もしてくれます。ヒーリング効果抜群の鈴虫の羽音と心に浸みいる説法に包まれながらあっという間に時間が過ぎてしまいます。鈴虫寺の和尚さんは穏やかで冗談を言いながらとてもためになるお話しをしてくれます。私が行ったときは禅で大切にされている「和敬清寂」の心についてのお話しでした。

  • 「和」和合すること。
  • 「敬」人を敬うこと。
  • 「清」見た目だけでなく心を清潔に保つこと。
  • 「寂」和合の心を持って人を敬い、心を清潔に保てば寂滅の穏やかな気持ちに至る。

他人と上手に接していくには、違いを受け入れる和合の気持ちが大切。そして謙虚な気持ちで相手を敬い、心のこもった行動をすること。たがいにそれができた時に穏やかな関係を築ける。

というとてもいいお話しでした。毎回お話しされる内容は異なるようです。和尚さんの説法は鈴虫寺の魅力の1つです。

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