次の敵は石原慎太郎。「小池劇場」第二シーズンの絶妙なシナリオ

 

浜渦氏は今年に入って小池氏に二度、会う機会があった。話しかけようとしたが、小池氏にそっぽを向かれてしまった。小池氏が豊洲に関して話を聞きたいと言ってくれれば、喜んで飛んで行きたかったが、いまに至るまで何も聞かれていない。「さびしい」と浜渦氏は言う。

小池氏は知事になったとたん、浜渦氏に用はなくなった。本来なら石原都政の全てを知り尽くした浜渦氏から真っ先に豊洲問題などについて真相を聞くべきだろう。だが、それで終わってしまっては、小池劇場が成り立たないということか。

どちらも、ずいぶん勝手なものだ。浜渦氏は、いつまでたっても小池氏からお呼びがかからないので、しびれを切らして民放の番組に出演したのだろう。

小池氏は、テレビで余計なことをしゃべる浜渦氏のことがよほど癪にさわったにちがいない。「浜渦さんからヒアリングする考えは」という記者の質問に対し、こう語った。

思い出すのは、(浜渦氏は)参議院時代に私の部屋に来て、兵庫県から衆院の選挙には出ないでねという趣旨のことをおっしゃいました。選挙のことで私自身がお願いしたことはない。それをあたかも頼まれたかのように仰っているのは浜渦流だ。いずれにしてもキーマンでしょう。どんどん発言すればいいのではないでしょうか。

豊洲について浜渦氏からヒアリングするか、との問いには全く答えず、選挙のことなど、皮肉まじりに違う話をする。これはどういうことだろうか。いまさら、浜渦氏とともにテレビカメラの前に出ることなどしたくないからではないか。

二人が知り合ったのは、「石原慎太郎を総理大臣に」と意気投合した小池氏の父、勇二郎と浜渦氏の縁がもとである。秘書として、副知事として、石原氏に仕えた浜渦氏を味方につける気など今やまったくないのであろう。

小池氏は自民党東京都連会長として自分の出馬を冷たくあしらった石原伸晃氏への怨念を父慎太郎氏にぶつけるためにも、当選したその日から、浜渦氏と距離を置き始めたのかもしれない。

盛土がなぜ施されなかったかなど、浜渦氏なら知っているに違いないことが多いにもかかわらず、調査を有識者会議やプロジェクトチームに丸投げし、自ら浜渦氏らにヒヤリングをしてこなかったのである。これだけはどうにも解せない。

小池氏と内田茂氏との「代理戦争」といわれた千代田区長選は小池氏が圧勝した。内田氏は引退の意向を固めた。

この勢いでいくと、都議選で小池氏率いる地域政党「都民ファーストの会」が60人以上の候補者を擁立して、一気に最大会派にのしあがる可能性が高くなった。

都議会の豊洲市場移転問題特別委員会は石原慎太郎や浜渦氏を参考人招致することを決めた。小池氏に議員たちがいっせいになびいている。

ただ、小池氏の正体については、いまだよくわからない。正義という商品をマーケティングする天才か、それとも本当に都民のことを第一に考える政治家なのか。

安倍首相との仲を保ち、既得権の守護集団である自民党に党籍を置いたまま、東京大改革を唱える小池氏の二面性には不可解な点も多い

都政の悪を暴き出した功績は認めよう。だが、まだ我々は小池都知事の行政手腕を見せてもらっていない。さしずめ豊洲に移転するのかしないのか。これをどうさばくかで、当然のことながら評価は変わってくる。

image by: 東京都公式ホームページ

 

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