文科省「いじめ防止法」会議で飛び出した、軽微ないじめ軽視発言

 

その一方で、「(報道されて)3カ月という期間が一人歩きしている。いじめがあったらすぐに止める。それから相当期間見守るという趣旨なのに、『3カ月かけていじめを止めるのか』と訊かれた」あるいは「中には『3カ月も見守らなくてはいけないのか』という声もあった」という現場の声も紹介され、もう少し説明が必要だという声もあがりました。

また、どの程度の行為を「いじめと認知すべきか」という「いじめの認知」に関して「軽いいじめは、いじめと認めなくてもいいのではないかという意見が述べられ、意見が分かれました。

「小学校の低学年の子は、風呂に入っていなくて臭う子がいれば、すぐに『クサイ』と言ってしまう。それだけで、『子供が傷ついた、いじめだ』と親が言ってくる」という意見が紹介されましたが、「いじめの定義に該当する。そういう言葉は人を傷つけると教えるのが教育だ。いじめという言葉は使わないで指導するなど柔軟に対応するケースだ」、あるいは、「確かに小学5、6年生になれば、臭くても何か事情があるのだろうと口には出さなくなるのだが…。ネグレクトで風呂に入れてもらえなくて、近くによると本当に臭い子もいる。そういう子には保健室でシャワーを浴びさせている学校もある」との意見が出ておりました。

そんな中で、文科省の担当者から、「軽微なものも全部いじめだとして対処すると先生方の机の上のファイルがどんどん高くなっていくことになりますが」との発言がありました。

委員たちからは、「軽微ないじめというが、裏に根が深いものがある場合がある」「一つ一つの行為は軽微でも、無視とか、からかいとか、仲間外れとか、深刻な被害になる」「先生方の負担を言っていると思うが、軽微だからと放置していて重大事態になるまで発見が遅れたら、重大事態になった場合の教師の負担は計り知れない」など、「軽微であってもいじめとして対処すべきであるとの意見が相次ぎました。

この日、改訂案は大筋で合意し、今回の検討をふまえて最終的な改訂案を作成し、その上で、公開してパブリックコメントを募集するとのことです。今年度末には、改訂後の新しい「いじめの防止等のための基本的な方針」が完成する見込みです。

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