本気か。ドン・キホーテが「58分以内配達」でアマゾンに挑戦状

 

一方、アマゾンの「プライムナウ」は国内に5箇所ある専用倉庫から東京都、神奈川県、千葉県、大阪府、兵庫県の対象エリアに配送します。わずか1年で、東京23区全域で利用可能になるなど、対象エリアを急速に広げています。

「プライムナウ」の場合、専用倉庫の設置を進めることで対象エリアを拡大させることができます。専用倉庫だけでなく、フルフィルメントセンターと呼ばれる既存の配送センターを活用することでも対象エリアは拡大します。今後の成長は倉庫の設置が鍵となるでしょう。

ドン・キホーテの「マジカプレミアムナウ」は店舗に依存するため、拡大戦略が取りづらいといえます。「マジカプレミアムナウ」のためだけに店舗を増やすことは現実的ではありません。しかし、アマゾンの「プライムナウ」は必要に応じて倉庫を設置すればいいので、拡大戦略が容易に描けます。今後の成長性という点ではアマゾンに軍配が上がりそうです。

とはいえ、むやみに倉庫数を増やすことは効率的ではありません。用地の確保や作業人員の確保の制約によりスムーズに拡大できない可能性があります。そのため、一つひとつの倉庫での効率化が求められます。

アマゾンは倉庫の効率化のために、神奈川県川崎市に建設した新しい物流拠点「アマゾン川崎FC」(フルフィルメントセンター)に倉庫ロボットAmazon Robotics」を導入しました。米国や欧州では導入が進んでいるシステムです。自走式のロボットが可動式の商品棚の出し入れを行います。従業員の手間が省かれるため、作業の効率化作業時間の短縮化が可能となります。

倉庫ロボット「Amazon Robotics」を「プライムナウ」の専用倉庫に導入することができれば短時間配送が可能になるため、従来に比べて少ない倉庫数で運用が可能です。1倉庫あたりの配送エリアが広がるからです。また、昨今の人手不足の問題も解消できるため、人員数をあまり気にせずに倉庫を拡大させることができるようになります。そのため、「プライムナウ」は今後の成長が見込める事業といえるでしょう。

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