80歳以上のリアル高齢ドライバーに聞いた「ドライブ感覚の衰え」

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メルマガ『ジャンクハンター吉田の疑問だらけの道路交通法』の著者で交通ジャーナリストでもある吉田武さんが、高齢ドライバーによる事故報道加熱の裏側を探る人気シリーズ。これまでの3回は現役警察官僚への体当たりインタビューの模様をお伝えしてきましたが、今回からは、いよいよ高齢ドライバーご本人を直撃です。当事者である高齢ドライバーは自らの運転技術、そして現状のマスコミ報道についてどのように考えているのでしょうか。

高齢ドライバー、事故報道多々な裏側を調査

警察庁の方から15分ほどお話を伺えただけで高齢ドライバーの事故報道の舞台裏がある程度見えてきました。免許証保持者10万人単位でピックアップすると、事故件数は年々減少の一方、当然高齢者社会へ突入していくわけで、65歳以上のドライバー人口は増加中。

全体的に事故件数が減少している中で、人口の多い高齢者が事故を起こすと嫌でも目立ってしまい、マスコミ側もクローズアップせざるを得ない。そこで自動車メーカーは自動運転やブレーキアシストの技術向上を目指すようになり、政府側と巧みに組んで+マスコミ)数年後には高齢者だらけになる日本の交通事情を不安視したうえで過熱報道となったという気もしている。では、80歳以上の高齢者による事故は果たして運転技術の未熟さなのか? それともオートマチック車自体の構造に問題があるのか?

勝手に自己完結させるわけではないですが、高齢ドライバーの事故報道が毎日のようにせっせと報道するようになったことに関して、良いか悪いかと判断するとなると……良いとの答えが出てくる。高齢ドライバーが運転していると分かればある程度こちらも注意深く近づくようになるし、それだけで何かあった際の事故回避も可能になると思う。

そこで実際に80歳以上でクルマを運転している高齢ドライバーの方に話を直接伺えないかと友人関係者らを探しまくったところ……運良くお二人の高齢ドライバーが見つかった。まず東京都足立区在住の田村くん(彼はレスリングをやっていた時代の後輩で、匿名じゃなく名前を出して欲しいと本人の希望)の祖父がほぼ毎日のようにクルマを運転しているとのこと。もう1人の方は知り合いの義父で昨年末に80歳になった愛知県在住の小林さん。小林さんはほぼ週末にクルマを運転する程度とのこと。対照的なお二人なのでこれは生の声を聞きたいと思い、田村くんの祖父には直接お会いし、小林さんには電話でお話を伺ってきた。まずは82歳になっても元気バリバリな田村くんの祖父に伺ったお話から掲載していきましょう。

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