Eコマースでは試着ができない問題があります。しかしこれもビジネスモデルの構築で解決しました。ゾゾタウンには有料会員サービス「ZOZOプレミアム」と「ZOZOプラチナム」があります。これらのサービスに加入していれば、一部商品を除いて送料無料で返品できます。自宅で試着してみて、サイズが合わなかったり気に入らなかったりした場合でも返品することができます。
ファッションコーディネートサイト「WEAR」も試着ができないデメリットを解消するビジネスモデルといえます。WEARではモデルや有名人がファッションモデルとなってコーディネートの提案をします。さらに、一般の人が自分のコーディネート写真を投稿できるので、参考にできるコーディネート案の幅が広がっています。着用したイメージが描きやすくなるため、試着ができないデメリットを完全ではないにしても解消することができています。
ちなみに、2015年10月末時点でWEAR経由のECサイトの売り上げは月間で10億円を突破したと発表されています。これはアパレル製品ならではといえるところがあります。それは、アパレル製品には「コーディネート」という概念があるからです。
楽天市場のような多様な製品を扱うEコマースの場合、コーディネートや組み合わせといった概念が発生しづらいといえます。例えばテレビが欲しい人は基本的にテレビしか購入しません。単発での購入になりがちです。しかし、アパレル製品の場合、買いたいトップスがある場合、そのトップスに合うボトムスやアクセサリーが欲しくなるといったことが発生しやすい特徴があります。
ゾゾタウンは数多くのブランドを擁することで、ワンストップでコーディネート販売することができます。例えば「トップスはユナイテッドアローズ、ボトムスはビームス」といったコーディネート販売ができます。その時にWEARが威力を発揮するのです。
ゾゾタウンは、アパレル製品をEコマースで販売することのメリットを最大限生かし、デメリットは解決することで成長してきたといえるでしょう。また、独自のビジネスモデルが人気ブランドを呼んでいるといえます。利用者数は増加し、大きな利益を確保しています。この傾向はしばらく続くのではないでしょうか。
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