尖閣安保適用の恩人だった。フリン米大統領補佐官辞任が与える余波

 

フリンさんは、「正しい戦略」構築に動いていた?

ここからは、私の推測です。

フリンさんは、親日で親ロシア。ティラーソン国務長官も親日で親ロシア。この組み合わせって、あまりないですね。思うにフリンさんは、「正しい戦略構築のために動いていたのではないでしょうか?

私がここで言う「正しい戦略」とは、ミアシャイマーさんやルトワックさんが主張している戦略です。簡単に書くと

 1.アメリカ最大のライバルは中国である。
 2.中国に勝つためには、ロシアを味方にしなければならない。

というもの。そして、日本重視です。ルトワックさんは、はっきりこう主張している。

 3.日本は、アメリカとロシアの仲介役になれる。

つまり、フリンさんもティラーソンさんも、こういう戦略観を共有しているので、親日、親ロなのではないでしょうか?

追いつめられるロシア、攻勢に出る中国

世界で起こっている動きを見ると、全般的に「ロシアが追いつめられ中国が攻勢に出ている」感じです。

まずロシアについて。ウクライナで、再び戦闘が始まっています。これは何でしょうか? ウクライナ・ポロシェンコ政権の悪夢は、「アメリカとロシアが和解して、ウクライナが捨てられること」なのです。それで、攻勢に出ている。そして、「ロシアがまたウクライナを攻撃している!!!」と宣伝している。実際、国連安保理では、「ロシアがまた小国ウクライナをいじめている!というムードになっています。

しかし、「制裁を解除してもらうことが最重要課題」のロシアが、「ウクライナで戦闘を始める」というのも、変な話です。そうなのですが、トランプも露骨にロシアを守れません。アメリカのヘイリー新国連大使は2月2日、「制裁解除はロシアがクリミアをウクライナに返すまでありえない!と断言しました。ロシアがウクライナにクリミアを返すはずはないですから、「永遠に制裁は解除しない!」という意味になります。

一方、アメリカにとって真のライバルである中国はどうでしょうか? こちらは、「さすがだ…」とナーバスになるほど、うまく反撃しています。

ナショナリスト・トランプは、国際金融資本に嫌われている。習近平はそのことを知っていて、1月のダボス会議で、「グローバリズム絶対支持宣言!」をした。それで国際金融資本は、「習近平は、トランプよりマシかもしれない」と思い始めている。

私たちには見えませんが、活発なロビー活動、裏工作が行われているのでしょう。

トランプさん、昨年12月には、「一つの中国の原則なんて、知ったこっちゃない!」という態度だった。それが、2月9日には、「一つの中国の原則を尊重する」に変わりました。大統領就任時と比べると、明らかに「ロシアに厳しく」「中国に優しくなっている

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