大人の「いい背中」を見て育った子供が、日本の未来を救う理由

 

娘が貰った「『小さな親切』実行賞」

子どもたちが他の人のために尽くす奉仕活動を教育に取り入れている学校もある。

先日、父親としてうれしいことがありました。それは、この間まで小学校3年生だった娘たちが、社団法人「小さな親切」運動本部という団体から「『小さな親切』実行賞」というもので表彰されたことです。…

 

私の娘たちの表彰内容は、友達と老人介護施設に何度か訪問し、ダンスを披露したり、お話ししたりしていることに対して表彰するものでした。親や先生が「やりなさい」と言っているわけでもないのに、同級生や年上のお姉さんたちと一緒にダンスを楽しみながら練習をし、みんなで訪問活動をしていたのです。

 

親が見本を見せたわけでもないのに、そういう機会に出会い、自ら楽しんで参加していたことに感心してしまいました。娘の通っている学校では、ボランティアなどについて授業で教えたり、機会をとらえて活動したりしているようであります。…子どもだから何もできない。親は何でもできるし、正しいことをしている、などと考えていたら、とんでもないことになります。

子供たちを自然に楽しく奉仕を向かわせている先生方の手腕も見事である。さらに子供を通じて親まで教育してしまうとは。

日本を救う子供たちを育てている親や教師たち

親が子供のために頑張っている姿に子どもは感動する。そして子どもの自分でも家族や他の人のために何かしてあげたいと思い、それができると大きな喜びを感ずる。こうして子供たちは人として幸福な生き方を学んでいく。

人間はひとりぽっちでは、いくら富や「ゆとり」があっても幸福になれるものではない。ロビンソン・クルーソーが30年近い絶海の孤島での生活で幸福を感じたのは、原住民フライデーとともに暮らした最後の3年間であった。フライデーはクルーソーを父親のように慕ひ、クルーソーもフライデーを「りっぱな、役に立つ人間にしてやろう、それがわたしのつとめだ」と思ったのである。

他の人とのつながりのなかで、何か人のためにしてあげることができた時に人間は幸せを感じる。そしてそのような人間を多く持つ国家は栄え国民は幸福となる。この単純な真実が、戦後教育の「個人の尊厳」やら「ゆとり教育」やらで忘れ去られた所から、わが国の迷走が始まったとすれば、この真実を学んだ子供たちこそが日本を救うだろう。

そしてこういう子供たちを育てるのは、この真実を日々、家庭や教室で身をもって示している親や教師なのである。「この子供たちが日本を救う!」は、素晴らしい子供たちを育てている立派な親や教師が少なくないことを多くの実例で示している。

文責:伊勢雅臣

image by: Shutterstock.com

 

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